Metaが更新版ビジネス規約の発効を11月20日に延期。クローリング条項は維持

Metaが更新版ビジネス規約の発効を11月20日に延期。クローリング条項は維持

Metaが更新版ビジネス規約の発効を11月20日に延期。クローリング条項は維持

Metaが更新版の商業規約(Commercial Terms)とセルフサービス広告規約(Self-Serve Ad Terms)の発効日を10月30日から11月20日に延期した。出版社や広告主から強い反発を受けていたクローリング条項は、今回の延期後も両方の規約に残ったままだ。

この記事では延期の内容と、問題になっているクローリング条項の詳細、EU・英国の規制当局の動き、そしてSEO・サイト運営者がいま確認すべき実務的なポイントを整理する。

Metaが規約更新を11月20日に延期、その概要

Metaが規約更新を11月20日に延期、その概要

延期の対象と発効日

対象となるのは商業規約とセルフサービス広告規約の2つだ。商業規約はFacebookページの管理を含む、あらゆるビジネス用途をカバーする。米国英語版のプレビューでは、いずれも11月20日が発効日として表示されている。一方、10月25日時点では英国英語・ドイツ語・フランス語のプレビューが10月30日のままだった。

Meta広報の説明

Metaの広報担当者は延期の理由について、パートナーや関係者に何が変わり何が変わらないのかを説明する時間を確保するためだと述べている。この説明にはWebクローラーの利用方法も含まれるという。

延期しても変わらないクローリング条項の中身

延期しても変わらないクローリング条項の中身

延期の発表があっても、規約の中身そのものは発効日以外に変更がない。Nieman Labの報道によれば、10月23日時点でMetaは日付を除いて規約を変更していない。

更新版商業規約に残るクローリング条項の要点
自動クローリングの許可
Metaが自動ソフトウェアを使い、ビジネスの製品やサービスに関連するページをクローリングできる。テスト用認証情報の作成も可能だ。
定期的な更新の取得
クローリングしたページから、定期的に内容の更新を取得する権利も含まれる。
robots.txtへの言及がない
規約本文にはrobots.txtに関する記載がない。txtでの制御が今回の同意にどう作用するかは不明確だ。
■ 強い懸念が示されている項目 ■ 実務への影響が大きい項目 ■ 未定義の領域

このデモはクローリング条項の主要な3点を整理したものだ。特にrobots.txtへの言及がない点は、後述するようにサイト運営者にとって確認が必要な論点になる。

旧規約では既に広告主向けのクローリングが可能だった

2025年8月22日付の現行セルフサービス広告規約は、広告注文が確定したあとに、広告主のドメイン上のコンテンツを「調査とトレーニング」を含む用途でクローリングすることを既に認めている。今回の更新は、その範囲をビジネス利用全般に広げる点が焦点になっている。

EU・英国の規制当局と出版社の反応

EU・英国の規制当局と出版社の反応

Movement for an Open Webの申し立て

広告主と出版社を会員に持つ団体Movement for an Open Webは、欧州委員会と英国の競争・市場庁(CMA)に対し、調査が完了するまでの間、暫定措置としてMetaの新規約を差し止めるよう申し立てた。Metaはロイターに対し、この申し立てに同意しないと述べている。

規制当局のコメント

延期の発表後、CMAの広報担当者は規約を精査し、次の対応を検討しながらMetaなどと協議を続けるとコメントした。欧州委員会は申し立てを評価するとしており、10月23日にはこの延期を歓迎し、EU法(TFEU第102条とデジタル市場法を含む)への準拠をMetaに求めていく姿勢を示している。

ただし、規制当局のいずれも延期や規約調整を命じていない。Metaが自主的に延期を決めたという点は押さえておきたい。

WAN-IFRAとEANAの要請

世界新聞協会(WAN-IFRA)は、ニュース出版社向けにクローリング条項の一時停止と、規約内でrobots.txtを拘束力のあるものにすることを求めた。WAN-IFRAのCEOは「今回の延期は歓迎するが、懸念には応えていない」と述べている。欧州通信社連合(EANA)も同日、条項の完全撤廃を改めて求め、新しい期限を有意義な対話につなげたいとの期待を示した。

SEO・サイト運営者が確認すべきポイント

SEO・サイト運営者が確認すべきポイント

今回の変更は、SEO担当者やサイト運営者にも実務的な影響がある。とくにrobots.txtの設定と、規約への同意の仕組みを理解しておくことが欠かせない。

robots.txtを確認する3つのステップ
STEP 1 自社サイトのrobots.txtを開き、Meta関連クローラーへの許可・拒否設定を確認する
↓
STEP 2 広告用・AIトレーニング用・Meta AI検索用など、利用中のMetaクローラーを特定する
↓
STEP 3 意図しないクローリングをブロックする。ただし規約への同意がrobots.txtに優先しないかを確認する

この3ステップは、規約の発効日を前にサイト運営者が実施できる最低限の確認事項だ。とくにSTEP 3の「規約とrobots.txtの関係」は、現時点で解釈が定まっていない。

規約更新後も利用を続けると自動同意になる

商業規約の条項では、Metaから通知を受け取ったあともビジネス製品を使い続けると、クローリング許可を含むすべての更新に同意したとみなされる。つまり、特に拒否の手続きを取らない限り、11月20日以降もFacebookページや広告アカウントを運用していれば、自動的に新しいクローリング条項に同意した扱いになる。

Metaのクローラーの種類を把握する

Metaは用途ごとに異なるクローラーを運用している。広告用、AIモデルトレーニング用、Meta AI検索用などだ。Metaの公式説明によれば、ウェブマスターはrobots.txtを通じてクローリングの優先動作を指定できる。ただし、新しい規約ではrobots.txtの設定が、ビジネスが同意したクローリング許可をどこまで制限できるのか明示されていない。

この点が出版社や広告主の懸念の中心にある。規約への同意という契約上の義務と、robots.txtという技術的な指示が衝突した場合、どちらが優先されるのかがはっきりしていないためだ。

この記事のポイント

  • Metaが更新版商業規約とセルフサービス広告規約の発効日を10月30日から11月20日に延期した
  • クローリング条項は延期後も維持されており、自動クローリングとテスト用認証情報の作成が認められている
  • 規約本文にはrobots.txtへの言及がなく、技術的な制御と契約上の同意の関係が不明確だ
  • EU・英国の規制当局や出版社団体は規約の変更または差し止めを求めているが、規制当局が延期を命じたわけではない
  • サイト運営者は11月20日までにrobots.txtの設定と、規約更新後も使い続けると自動同意になる点を確認する必要がある
海田 洋祐

・ 複数業界における17年間のデジタルビジネス開発経験 ・ ウェブサイト開発のためのHTML、PHP、CSS、JavaScript等の実用的知識 ・ 15ヶ国語対応の多言語SaaSの開発経験 ・ 17年間にも及ぶ、Eコマース長期運営経験 ・ 幅広い業界でのSEO最適化の豊富な経験

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