AWSが低コストなEC2 T8iインスタンスを発表!T3比で最大70%の性能向上

AWSが低コストなEC2 T8iインスタンスを発表!T3比で最大70%の性能向上

AWSが低コストなEC2 T8iインスタンスを発表!T3比で最大70%の性能向上

AWSが新型の低コストバースト可能インスタンス「Amazon EC2 T8i」の一般提供を開始した。T3インスタンスの後継となるもので、価格性能比が最大30%改善している。

T8iはカスタム設計された第6世代Intel Xeon Scalable Processorを搭載し、AWSのNitro System上で動作する。既存のT3ユーザーは同じCPUクレジット方式のまま移行できる設計だ。

T8iインスタンスの位置づけ

T8iインスタンスの位置づけ

EC2のTシリーズは「バースト可能インスタンス」と呼ばれる。平時はベースライン性能で動作し、負荷が上がった時にCPUクレジットを消費して性能を一時的に引き上げる仕組みを持っている。

この仕組みが適しているのは、普段はCPU使用率が低いが瞬間的に負荷が上がるワークロードだ。低トラフィックのWebサイト、開発・テスト環境、小規模データベース、マイクロサービス、ログインゲートウェイなどが代表例になる。

T3時代の課題(Before)
T3インスタンス 旧世代のCPU・最大5Gbpsのネットワーク帯域
コストは安いが、負荷が集中する場面で性能不足を感じるケースがあった
T8i導入後の改善(After)
T8iインスタンス 新型CPU・最大6.25Gbpsのネットワーク帯域・EBS帯域2.4倍
同じバーストモデルのまま、価格性能比が最大30%改善

T8iはこのバーストモデルを踏襲しつつ、CPUとネットワーク性能を大幅に引き上げたモデルだ。

性能向上の内訳

性能向上の内訳

価格性能比とコンピューティング性能

AWSの発表によると、T8iはT3と比較して以下の改善が実現されている。

  • 価格性能比が最大30%向上
  • コンピューティング性能が最大70%向上
  • ネットワーク帯域が最大1.25倍
  • EBS帯域が最大2.4倍

特にEBS帯域の2.4倍という数字は見逃せない。ディスクI/Oがボトルネックになりがちな小規模データベースやデータ処理ジョブでは、体感できる改善が期待できる。

性能改善の度合い
コンピューティング 最大70%向上
ネットワーク帯域 最大1.25倍
EBS帯域 最大2.4倍
価格性能比 最大30%改善
コンピューティング  ネットワーク  ストレージ  価格性能比

CPUクレジット方式と無制限モード

T8iはT3と同じCPUクレジット方式を採用している。StandardとUnlimitedの2つのモードがあり、デフォルトはUnlimitedモードだ。Unlimitedモードではクレジット残高がゼロになっても、追加料金を支払うことでベースラインを超える性能を維持できる。

クレジットは時間の経過とともに自動で蓄積される。例えばt8i.microなら1時間に6クレジット、t8i.smallなら12クレジットが付与される仕組みだ。

インスタンスタイプとスペック

インスタンスタイプとスペック

T8iは4つのサイズで提供される。すべて2 vCPUを1コアとして提供するのが特徴で、vCPUとメモリの比率が他シリーズにはない特殊な構成になっている。

  • t8i.nano
  • t8i.micro
  • t8i.small
  • t8i.medium
T8iインスタンスのラインナップ
t8i.nano 0.25GiBメモリ・ベースライン5%・3クレジット/時
t8i.micro 0.5GiBメモリ・ベースライン10%・6クレジット/時
t8i.small 1GiBメモリ・ベースライン20%・12クレジット/時
t8i.medium 2GiBメモリ・ベースライン20%・12クレジット/時
nano  micro  small  medium

メモリ比率はnanoが1対0.25、microが1対0.5、smallが1対1、mediumが1対1となっている。2 vCPUでメモリ0.25GiBという構成は他のEC2インスタンスにはない特徴的なスペックだ。

利用シーンと移行方法

利用シーンと移行方法

どんな場面で使うべきか

T8iは低〜中程度のCPU使用率で動くワークロードに向いている。具体的には以下のようなケースが想定されている。

  • フリーミアムサービスの小規模プラン
  • トレーニング・デモ環境
  • ステージング・開発環境
  • データ処理ジョブ
  • マイクロサービスアーキテクチャの一部
  • 低トラフィックのWebサイト
  • ログインゲートウェイ
  • バッチ処理やCI/CDパイプライン

常に高いCPU使用率が続く本番環境や、大規模なデータベースサーバーには向かない。そうした用途ではM8i Flexなど、より大きなインスタンスの選択が推奨されている。

T3からの移行手順

既存のT3ユーザーにとって移行はシンプルだ。インスタンスタイプをT3からT8iに変更するだけで、アプリケーションの設定変更やコードの書き換えは原則不要とされている。

STEP 1 現在のT3インスタンスを停止
STEP 2 インスタンスタイプをT8iに変更
STEP 3 インスタンスを起動して動作確認
STEP 4 性能向上を確認して本番利用へ

CPUクレジット方式もT3と同じなので、運用ノウハウはそのまま活かせる。Auto ScalingやCloudWatchの設定も流用できるため、移行コストは最小限だ。

提供リージョンと利用方法

提供リージョンと利用方法

T8iは以下のAWSリージョンで利用できる。

  • 米国東部(バージニア北部・オハイオ)
  • 米国西部(オレゴン・北カリフォルニア)
  • アジアパシフィック(ハイデラバード・マレーシア・ムンバイ・ソウル・シンガポール・シドニー・東京)
  • カナダ(中部)
  • ヨーロッパ(フランクフルト・アイルランド・ロンドン・パリ)

購入方法はオンデマンドとスポットインスタンスに対応している。Savings Planは近日対応予定だ。t8i.microとt8i.smallはAWS無料利用枠でも使えるため、新規ユーザーがAWSの使い方を学ぶ用途にも適している。

共有テナンシーのみ対応しており、専有テナンシーや専有ホストは利用できない点には注意が必要だ。

この記事のポイント

  • T8iはT3の後継となる低コストバースト可能インスタンス
  • コンピューティング性能が最大70%向上し、EBS帯域は2.4倍に
  • CPUクレジット方式はT3と同じで移行が容易
  • 4サイズ構成で東京リージョンでも利用可能
  • 無料利用枠の対象サイズもあり、新規ユーザーの入門にも適している
海田 洋祐

・ 複数業界における17年間のデジタルビジネス開発経験 ・ ウェブサイト開発のためのHTML、PHP、CSS、JavaScript等の実用的知識 ・ 15ヶ国語対応の多言語SaaSの開発経験 ・ 17年間にも及ぶ、Eコマース長期運営経験 ・ 幅広い業界でのSEO最適化の豊富な経験

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