B2BKingのMCP連携でWooCommerce B2BストアをAIが設定。仕組みと接続手順

B2BKingのMCP連携でWooCommerce B2BストアをAIが設定。仕組みと接続手順

WooCommerce向けB2B・卸売販売プラグインのB2BKingが、MCP連携機能を実装した。AIアシスタントが自然言語の指示だけで、ストア設定の読み取りから変更までを実行できる。従来は数時間かかっていた設定作業が、数分で完了する可能性がある。

対応するのはClaude、Codex(OpenAIのコーディングエージェント)、Cursor、VS Codeなど、MCP(Model Context Protocol)をサポートするすべてのAIツールだ。コードを書く必要も、設定画面を1つずつ巡回する必要もない。

B2BKingのMCP連携とは何か

B2BKingのMCP連携とは何か

B2BKingはWooCommerce向けのB2B・卸売販売プラグインだ。約7年の開発実績を持ち、累計1万5,000以上のWooCommerceストアで稼働している。このB2BKingが、WordPressの標準API群を通じてAIアシスタントから直接設定を変更できる仕組みを実装した。

具体的には、B2BKingがWordPress Abilities APIに主要なストア設定を「能力」として登録する。その能力を公式のWordPress MCP AdapterがMCP経由で外部に公開し、MCPをサポートするAIアシスタントが利用できるようになる。特定のAI製品向けの独自コネクタを作るのではなく、オープンな標準の上に構築されている点が特徴だ。

一度接続すると、英語で普通の文章を入力するだけでストア設定を操作できる。B2B限定ストアとハイブリッドB2B/B2Cの切り替え、ゲストの閲覧制御、顧客グループの作成、卸売価格や最低注文金額の設定、顧客のグループ割り当てなどが対象となる。

AIとB2BKingの接続フロー
🤖 AIアシスタント Claude・Codex・Cursor・VS Code
↓
MCP Adapter 公式WordPress MCP Adapterプラグイン
↓
B2BKing Abilities APIで機能を登録
↓
WooCommerce B2Bストアの設定変更
■ AIアシスタント  ■ 接続プロトコル  ■ WordPressプラグイン  ■ 適用対象

指示はAIアシスタントからMCP Adapterへ送られ、B2BKingが登録した能力を通じてWooCommerceに反映される。すべて標準化されたプロトコル上で動作するため、特定のAI製品に依存しない。

AIが設定できる5つの領域

AIが設定できる5つの領域

現時点でAIが操作できる範囲は、B2Bストアの構築に必要な主要な決定事項をカバーしている。大きく5つの領域に分類できる。

ストア全体の設定と登録機能

1つ目はストア構成だ。AIがB2BKingの設定全体を読み取り、B2B限定モードとハイブリッドB2B/B2Cモードを切り替えられる。ゲストが見る内容も制御でき、価格の非表示、ショップ全体の非表示、ログイン限定ストア、価格の代わりに見積依頼を表示する設定などに対応する。

2つ目は登録と機能の制御だ。B2B登録フォームの有効化、ロールのドロップダウン表示、アカウント承認フローをオン・オフできる。見積依頼、会話機能、オファー、購入リスト、一括注文フォーム、会社サブアカウントなどの機能も同様に操作できる。

顧客グループと価格ルールの操作

3つ目は顧客グループの管理だ。既存のグループを一覧表示するだけでなく、リセラーやディストリビューターなどの新しいグループを作成できる。グループには与信枠を設定することも可能だ。

4つ目は価格ルールだ。パーセント割引、固定金額割引、固定価格、送料無料、最低注文金額などのルールを、全B2B顧客または特定のグループに対して設定できる。適用範囲もカタログ全体、単一商品、カテゴリ単位で指定できる。

5つ目は顧客の個別管理だ。特定の顧客のB2Bステータス、所属グループ、承認状態を確認し、B2Bグループへの移動やB2Cへの戻しを実行できる。グループを作成した後のルール適用や顧客の移動も、同じ会話の中で続けて指示できる。

従来の手動設定(Before)
STEP 1 設定画面を開く → STEP 2 各項目を手作業で変更 → STEP 3 保存して確認
※所要時間は数時間単位になることもある
↓
AIによる設定(After)
STEP 1 自然言語で指示を出す → STEP 2 AIが設定を読み取り実行 → 完了
※所要時間は数分程度

手動で設定画面を巡回する作業が、AIアシスタントへの1つの指示文で置き換わる。所要時間は数時間から数分へ短縮される。

WordPress Abilities APIとMCPの技術的仕組み

WordPress Abilities APIとMCPの技術的仕組み

Abilities APIの役割

WordPress Abilities APIはWordPress 6.9からコアに導入された標準機能だ。プラグインが「自分に何ができるか」をAIに宣言するための共通の方法を提供する。各能力(アビリティ)には、説明文、期待する入力データのスキーマ、権限チェックの3つが含まれる。

これによりAIは、ある操作が何をするのかを事前に理解できる。さらに、ログイン中のユーザーがその操作を実行できるかどうかも、何かが起こる前に検証される。B2BKingは主要なストア設定をこのAbilities APIに登録している。

MCP Adapterの役割

MCP(Model Context Protocol)は、AIアシスタントが外部ツールと会話するためのオープンプロトコルだ。Claude、Codex、Cursor、VS Codeが同じB2BKingの設定を操作できるのは、このMCPが共通の通信基盤になっているからだ。

公式のWordPress MCP Adapterは、Abilities APIに登録された能力をMCP経由で外部に公開する橋渡し役を担う。ライブサイトとローカル開発環境の両方で動作し、WordPressのAIエコシステム全体が成熟するほどB2BKingも自動的に恩恵を受ける構造だ。

注目すべきは、この設計が特定のAI製品へのロックインを避けている点だ。独自のコネクタを開発するのではなく、オープンな標準に乗っているため、MCPをサポートする新しいAIツールが登場すれば、追加の開発なしで利用可能になる。

AIによるストア設定の安全性

AIによるストア設定の安全性

AIがストア設定を変更できると聞くと、多くのストア運営者は「制御を失うのでは」と不安に感じる。B2BKingはこの懸念に対して、複数の安全機構を実装している。

実行前のチェック機構

第1に、すべての能力が実行前に接続ユーザーのWordPress権限(ケイパビリティ)をチェックする。権限のないユーザーが接続しても、変更操作は実行できない。

第2に、入力値の検証が行われる。存在しないグループやカテゴリを指定したルール、100%を超える割引率などをAIが指示しても、検証によって拒否される。B2BKingが各ステップを実行時に確認する仕組みだ。

第3に、各能力は読み取り専用か変更を伴うものかがラベル付けされている。AIクライアントは変更実行前にユーザーへ確認を求める設定にできる。第4に、ライセンスキーはAIアシスタントに渡らない設計になっている。

AI設定の4つの安全機構
✅ 権限チェック 実行前に接続ユーザーのWordPress権限を確認
✅ 入力検証 存在しないグループや100%超の割引を防止
✅ 読み取り/書き込み区別 変更前にAIクライアントが確認を要求できる
🔒 ライセンスキー遮断 ライセンスキーはAIに返されない
■ 権限の確保  ■ 不正な入力の防止  ■ 変更前の確認  ■ 機密情報の保護

4つの安全機構により、AIがストア設定を誤って変更するリスクを抑えている。特にライセンスキーがAIに渡らない設計は、セキュリティ面で重要なポイントだ。

開発者向けフィルター

開発者向けには2つのフィルターが用意されている。b2bking_mcp_enabledでMCP連携を完全に無効化できる。またb2bking_mcp_write_enabledで読み取り専用に制限することも可能だ。本番ストアでは読み取り専用にしておき、ステージング環境でのみ書き込みを許可するといった運用が現実的だろう。

ClaudeやCodexとB2BKingの接続手順

ClaudeやCodexとB2BKingの接続手順

MCPをサポートするAIアシスタントならどれでも動作するが、ClaudeとCodexが最も始めやすい。接続設定自体もAIに任せられるためだ。コードを書く必要はない。AIはB2BKingに組み込まれた能力を通じてのみ動作する。

AIに接続設定を任せる方法

最も簡単な方法は、ClaudeやCodexに「公式WordPress MCP Adapterを使用してMCP経由でストアに接続したい」と伝えることだ。AIが必要なインストールと設定を判断して進めてくれる。

通常、AIが求めるのはアプリケーションパスワードのみだ。WordPress管理画面の「ユーザー」→「プロフィール」→「アプリケーションパスワード」から作成できる。これだけで接続は完了する。

手動で接続する手順

自分で設定する場合は、以下の手順を踏む。まずWordPress 6.9以降と最新版のB2BKingが必要だ。次にMCP Adapterプラグインをインストールし、アプリケーションパスワードを作成する。最後にAIクライアントのMCP設定に短い設定項目を追加する。

B2BKing側で何かを有効化する必要はない。能力は自動的に登録されるためだ。設定スニペットの全文はB2BKing公式サイトの「AIによるWooCommerce B2Bストア構築ガイド」に掲載されている。

接続後は、以下のような指示文を送るだけで設定作業が始まる。

ストアをハイブリッドB2B/B2Cモードに設定して。ゲストには価格の代わりに見積依頼を表示。Wholesaleグループを与信枠5,000ドルで作成し、全体に15%割引と最低注文300ドルを適用。

AIはまず現在のB2BKing設定を読み取り、状況を把握する。その後、ハイブリッドモードへの切り替え、ゲスト見積依頼の設定、Wholesaleグループの作成、15%割引ルールと300ドル最低注文ルールの追加を順番に実行する。各ステップでB2BKingが検証を行い、すべて完了するとAIが変更内容を報告する。

この記事のポイント

  • B2BKingがMCP連携に対応し、ClaudeやCodexから自然言語で操作できる
  • Abilities APIとMCP AdapterというWordPress標準の仕組みで構築されている
  • ストア構成、登録機能、顧客グループ、価格ルール、顧客管理の5領域を設定できる
  • 権限チェック、入力検証、読み取り/書き込み区別、ライセンスキー遮断の4重の安全機構を備える
  • 7年の実績と1万5,000以上のストアで使われてきた信頼性の上にAI連携が乗っている
海田 洋祐

・ 複数業界における17年間のデジタルビジネス開発経験 ・ ウェブサイト開発のためのHTML、PHP、CSS、JavaScript等の実用的知識 ・ 15ヶ国語対応の多言語SaaSの開発経験 ・ 17年間にも及ぶ、Eコマース長期運営経験 ・ 幅広い業界でのSEO最適化の豊富な経験

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