
Google Search Consoleにソーシャル・動画プラットフォームのプロパティが追加
Search Consoleに追加された「プラットフォームプロパティ」の概要

2026年7月7日、GoogleはSearch Consoleに「プラットフォームプロパティ」という新たなプロパティタイプを追加した。Instagram、TikTok、X(旧Twitter)、YouTubeといったソーシャルメディアや動画プラットフォーム上の投稿が、Google検索やDiscoverでどのように表示され、クリックされているかを分析できる仕組みだ。
これまでSearch Consoleはウェブサイトを所有する運営者向けのツールだった。今回の変更により、自社サイトを持たないクリエイターやインフルエンサーも、自身の投稿パフォーマンスをGoogleの公式データで確認できるようになる。
Search Consoleのプロダクトマネージャーを務めるMoshe Samet氏がSearch Centralブログで発表した。同氏によれば、アカウントを連携すると、どの検索キーワードから投稿にアクセスがあったか、ユーザーが投稿に対してどう行動したかを把握できるという。
上の図はSearch Consoleの管理範囲がどのように広がったかを整理したものだ。サイト単位の分析に加え、ソーシャルプラットフォーム上の個別投稿のパフォーマンスも同じダッシュボードで確認できるようになる。
利用可能な3つのレポート機能

プラットフォームプロパティでは、通常のSearch Consoleプロパティと同様のレポート構成が提供される。ただし、ソーシャルメディアや動画コンテンツに最適化された形で表示される点が特徴だ。
パフォーマンスレポート
総クリック数、表示回数(インプレッション)、平均CTR(クリック率)、平均掲載順位といった主要指標を確認できる。フィルタや並べ替え機能を使えば、どの投稿や検索クエリが最も流入に貢献しているかを特定しやすい。データはエクスポートにも対応しており、他の分析ツールでさらに深掘りすることも可能だ。
CTRとは「Click Through Rate」の略で、表示回数のうち実際にクリックされた割合を指す。たとえば100回表示されて3回クリックされればCTRは3%だ。検索結果に表示される頻度と、実際に選ばれる確率のバランスを見るための基本的な指標として使われる。
インサイトレポート
直近のトラフィック傾向や、最も成果を上げた投稿の概要、ユーザーがGoogle上でどのようにアカウントを見つけているかといった俯瞰的な情報を提供する。パフォーマンスレポートが数値ベースの詳細分析であるのに対し、インサイトレポートは「いま何が起きているか」を直感的に把握するためのダッシュボードだ。
アチーブメント
28日間の間に、検索からの総クリック数が一定のしきい値を超えるなどのマイルストーン達成を検出し、通知する仕組みだ。数値目標を持ちにくいソーシャルメディア運用において、客観的な達成基準として活用できる。
3つのレポートは独立しているのではなく、上図のように段階的に活用することで効果を発揮する。数値確認→傾向把握→成果認知→改善実行というサイクルをSearch Console内で完結できるのが強みだ。
プラットフォームプロパティの追加手順

設定はSearch Consoleの所有権確認フローに沿って進める。具体的な流れは以下のとおりだ。
- Search Consoleを開き、所有権の確認ページまたはプロパティセレクタに移動する
- 「プロパティを追加」を選択する
- Instagram、TikTok、X、YouTubeのいずれかを選ぶ
- 画面の指示に従って連携を承認する
これだけで設定は完了する。従来のSearch Consoleプロパティのように、DNSへのTXTレコード追加やHTMLファイルのアップロードといった技術的な作業は不要だ。各プラットフォームのOAuth認証を使ったシンプルな連携方式が採用されている。
サーチプロファイルとの違い

2026年6月、Googleは「サーチプロファイル」という機能を公開した。フォロワー10万人以上のクリエイターやパブリッシャーを対象に、公開プロフィールページを提供する仕組みだ。プラットフォームプロパティと混同しやすいため、両者の違いを明確にしておく。
サーチプロファイルが「見せる」ための公開ページであるのに対し、プラットフォームプロパティは「測る」ための分析ツールだ。両者は補完関係にあり、検索上での存在感を高めたいクリエイターにとってはどちらも有用な機能といえる。
なお、今回のプラットフォームプロパティは、2025年12月に実施されたソーシャルチャネルデータをSearch Consoleに統合する実験を発展させたものだ。
実務への影響と活用ポイント

この機能が実務に与える影響は大きい。従来、ソーシャルメディアの投稿が検索経由でどの程度見られているかを知るには、各プラットフォームのアナリティクスに頼るしかなかった。しかし、プラットフォーム側のデータは検索エンジン経由の流入を正確に分離できないケースが多い。
Google公式のSearch Consoleでデータを取得できる意味は2つある。1つはデータの信頼性が担保されること、もう1つは検索クエリとの紐付けが可能になることだ。たとえば「おすすめ カフェ 東京」という検索キーワードでInstagramの投稿が表示され、クリックされたという因果関係を追跡できる。
ウェブサイトを持たないクリエイターへの恩恵
最大の変化は、自社サイトや個人ブログを持たないクリエイターにもSearch Consoleの門戸が開かれたことだ。これまでSearch Consoleはサイト所有者のツールであり、ドメイン認証が必須だった。今回のプラットフォームプロパティでは、ソーシャルメディアのアカウントさえあれば利用できる。
SEO担当者にとっての新たな分析軸
企業のSEO担当者にとっては、検索結果ページに表示される自社のソーシャル投稿を管理する手段が増えたことを意味する。YouTubeの動画やInstagramの投稿が検索結果に表示されるケースは増えており、それらのパフォーマンスをSearch Console上で一元管理できるメリットは無視できない。
分析ツールの断片化が解消されることは、レポート作成の手間を減らすと同時に、データの解釈を統一する効果も期待できる。これまで「Instagramのインサイトでは伸びているのに、検索からの流入が測れない」というジレンマを抱えていた運用担当者にとっては朗報だ。
今後の展開と注意点

プラットフォームプロパティは数週間かけて段階的に展開されるため、アカウントによってはまだ表示されない場合がある。Googleは初期段階として4つのプラットフォームに対応するが、今後の対応範囲拡大についても示唆している。
設定にあたっては、Googleのヘルプドキュメントが用意されているほか、Search Console内とSearch Central Communityにフィードバックリンクが設置されている。初期リリースということもあり、運用しながら改善が加えられていくフェーズと考えるのが妥当だ。
今すぐ取り組むべき3つの準備
- 利用可能になった時点で迅速に設定できるよう、Search Consoleのアカウントを最新の状態にしておく
- 現在運用中のソーシャルアカウントのうち、どのプラットフォームを優先的に連携するか社内で方針を決めておく
- 連携後にどの指標をKPI(重要業績評価指標)として追うか、事前に整理する
プラットフォームプロパティは、検索マーケティングの対象領域をウェブサイトの外側に拡張する第一歩ともいえる。検索結果が多様化する中で、テキストコンテンツだけでなく動画やソーシャル投稿も含めた総合的な検索対策が求められる時代に向けた布石だ。
この記事のポイント
- Search Consoleにプラットフォームプロパティが追加され、Instagram、TikTok、X、YouTubeの投稿パフォーマンスを分析できるようになった
- パフォーマンスレポート、インサイトレポート、アチーブメントの3種類のデータを提供する
- 自社サイトを持たないクリエイターでもSearch Consoleを利用可能になった点が最大の変化
- サーチプロファイルとは異なり、あくまで分析ツールとして機能する
- 数週間の段階的展開が予定されており、対応プラットフォームは今後拡大する可能性がある

・ 複数業界における17年間のデジタルビジネス開発経験
・ ウェブサイト開発のためのHTML、PHP、CSS、JavaScript等の実用的知識
・ 15ヶ国語対応の多言語SaaSの開発経験
・ 17年間にも及ぶ、Eコマース長期運営経験
・ 幅広い業界でのSEO最適化の豊富な経験
