WooCommerce Mollie決済プラグイン更新後の致命的エラー対処法

WooCommerce Mollie決済プラグイン更新後の致命的エラー対処法

WooCommerce Mollie決済プラグイン更新後の致命的エラー対処法

WooCommerce の Mollie 決済プラグイン(Mollie Payments for WooCommerce)をバージョン 8.1.8 から 8.1.9 に更新した直後、サイトに「このサイトで重大なエラーが発生しました」と表示されたり、WordPress から致命的エラーの通知メールが届いたりする場合は、プラグイン内部のコンストラクタが想定する引数の数と実際に渡される引数の数が一致しないことが直接の原因だ。バージョン 8.1.8 へのロールバックで即座に復旧できる。

Mollie プラグイン更新後に起きる致命的エラーの正体とは

Mollie プラグイン更新後に起きる致命的エラーの正体とは

今回のエラーは「ArgumentCountError(引数の数が一致しない)」に分類される。具体的には、プラグイン内部の RestApi.php というファイルの 26 行目に定義された __construct() メソッド(クラスの初期化時に呼び出される特別な関数)が 4 つの引数を必要としているにもかかわらず、呼び出し元の services.php 127 行目から 3 つしか渡されていない。

この種の不具合は、プラグインの開発過程でメソッドのシグネチャ(引数の数や型の定義)が変更されたにもかかわらず、すべての呼び出し箇所が追従しなかった場合に発生する。今回のケースでは 8.1.8 から 8.1.9 へのアップデートで RestApi クラスのコンストラクタに新しい依存オブジェクトが 1 つ追加されたが、サービスコンテナ側の定義が更新に追いつかず、3 つのまま残ってしまった可能性が高い。

このエラーは Mollie プラグインの開発元も再現できておらず、特定の環境(PHP バージョンや他のプラグインとの組み合わせ)でのみ発生する。そのため、原因の完全な特定と恒久的な修正には開発元の調査を待つ必要がある。

Before(エラー状態)
プラグイン更新後、管理画面とサイトに「このサイトで重大なエラーが発生しました」と表示される
エラーログに「Too few arguments to function」のメッセージ
チェックアウトページが動作しない、または管理画面の一部が読み込めない
After(ロールバック後)
サイトと管理画面が正常に表示される
Mollie 決済機能が通常通り動作する
致命的エラーの通知メールが停止する
エラー状態  回復後

上図のとおり、ロールバックによってサイトの全機能が即座に回復する。このエラーは PHP の実行を完全に停止させる E_ERROR レベルのため、チェックアウトページを含むサイト全体に影響が及ぶ点が深刻だ。

バージョン 8.1.8 へロールバックして即時復旧する手順

バージョン 8.1.8 へロールバックして即時復旧する手順

最も確実で安全な対処法は、プラグインを直前の安定バージョンである 8.1.8 に戻すことだ。管理画面にアクセスできる場合とできない場合で手順が異なる。

管理画面にアクセスできる場合のロールバック

管理画面にログインできる状態であれば、WP Rollback プラグインを使うのが最も簡単だ。このプラグインは、WordPress.org の公式プラグインディレクトリに登録された任意のプラグインを、過去の特定バージョンにワンクリックで戻せる。

STEP 1 「プラグイン」→「新規追加」から WP Rollback をインストールして有効化する
STEP 2 「プラグイン」→「インストール済みプラグイン」で Mollie Payments for WooCommerce を探す
STEP 3 プラグイン名の下に表示される「ロールバック」リンクをクリックする
STEP 4 バージョン一覧から「8.1.8」を選択してロールバックを実行する

WP Rollback を使わない場合は、プラグインを一度削除してから旧バージョンを手動でインストールする。削除しても Mollie の API キーや決済設定はデータベースに残るため再設定は不要だが、念のため作業前に WooCommerce のシステムレポートを控えておくと安心だ。

管理画面にもアクセスできない場合の復旧

エラーによって管理画面にも入れなくなっている場合は、FTP クライアントまたはレンタルサーバーのファイルマネージャーを使って対処する。手順は以下のとおりだ。

  1. FTP でサーバーに接続し、/wp-content/plugins/ ディレクトリに移動する
  2. mollie-payments-for-woocommerce フォルダの名前を「mollie-payments-for-woocommerce-broken」などに変更する(これでプラグインが無効化され、管理画面に入れるようになる)
  3. 管理画面にログインしたら、WP Rollback をインストールする
  4. フォルダ名を元に戻してから、STEP 1〜4 を実行して 8.1.8 にロールバックする

フォルダ名の変更でプラグインを無効化するとサイトのフロントエンドも正常に表示されるようになるが、その間 Mollie 決済は利用できない点に注意する。

手動 ZIP アップロードで 8.1.9 を試す場合の注意点

手動 ZIP アップロードで 8.1.9 を試す場合の注意点

フォーラムの一部ユーザーは、WordPress 管理画面の自動更新ではなく GitHub からダウンロードした ZIP ファイルを手動アップロードすることでエラーを回避できたと報告している。しかし別のユーザーは同じ手順でもエラーが再発しており、確実な回避策ではない。

手動 ZIP アップロードを試す場合は、以下の点に注意する必要がある。まず、GitHub のリリースページ(Mollie の公式 WooCommerce リポジトリ)から 8.1.9 の ZIP を入手する。プラグイン画面の「新規追加」→「プラグインのアップロード」から ZIP を選択し、「既存のプラグインと置き換える」を確認してアップロードする。

手動アップロード後はサイト全体をくまなく確認し、特に実際のテスト購入でチェックアウトフローが最後まで動作することを確かめる。エラーが再発した場合は速やかに 8.1.8 に戻す。

調査中の自動更新を止めて再発を防ぐ

調査中の自動更新を止めて再発を防ぐ

開発元が修正版をリリースするまでの間、Mollie プラグインが勝手に 8.1.9 に再更新されるのを防ぐ必要がある。WordPress の自動更新設定ではプラグイン単位で自動更新のオンオフを切り替えられる。

「プラグイン」→「インストール済みプラグイン」で Mollie Payments for WooCommerce の行を見ると「自動更新を有効化」または「自動更新を無効化」のリンクがある。これをクリックして自動更新を無効にしておけば、8.1.8 のまま安全に運用を継続できる。修正版がリリースされたら、自動更新を再度有効にしてから手動で更新を実行する。

よくある質問

8.1.8 を使い続けてもセキュリティ上の問題はないか

8.1.8 と 8.1.9 の差分は軽微な機能追加やバグ修正が中心であり、8.1.8 に既知の重大な脆弱性は報告されていない。数週間程度の運用であれば実務上のリスクは低い。とはいえ、決済プラグインに限らず常に最新バージョンを使うのが基本のため、修正版がリリースされたら速やかに更新する。

手動 ZIP アップロードと管理画面からの自動更新で何が違うのか

一般的には同じ ZIP ファイルを使うため内容に差はないが、自動更新時には WordPress のアップデーターがファイルの置き換えを段階的に行うのに対し、手動アップロードでは一度に全ファイルが上書きされる。キャッシュやオートローダーの生成タイミングの違いが結果に影響している可能性がある。ただし本件では原因が完全に特定されていないため、効果には個体差がある。

PHP バージョンはエラーに関係するか

関係する可能性は高い。PHP 8.0 以降は引数の数の不一致に対して E_ERROR レベルの厳格なエラーを出すが、PHP 7.x では E_WARNING で済んでいたケースもある。Mollie プラグインのシステム要件を確認し、推奨される PHP バージョン(通常 7.4 以上)を使っているかどうかを WooCommerce のステータス画面で確認する。

エラーメールが大量に届いて困っている。どう止めればよいか

WordPress の致命的エラー通知はサイトにアクセスがあるたびに発生するため、更新直後は短時間で大量のメールが届くことがある。最も早い対処は前述のとおり FTP でプラグインフォルダの名前を変更して無効化することだ。メールが止まったら、すぐに 8.1.8 へのロールバックに取りかかる。

他の決済プラグインに切り替えるべきか

このエラーはバージョン 8.1.9 固有の一時的な不具合であり、Mollie プラグイン全体の品質に問題があるわけではない。8.1.8 で問題なく運用できていたのであれば、慌てて乗り換える必要はない。オランダ発の Mollie は欧州で高いシェアを持つ決済プロバイダーであり、プラグインも活発にメンテナンスされている。

この記事のポイント

  • Mollie 8.1.9 の致命的エラーはコンストラクタ引数の数が一致しないことが原因
  • 最も確実な対処は WP Rollback で 8.1.8 に戻すこと
  • 管理画面に入れない場合は FTP でプラグインフォルダをリネームして無効化する
  • 手動 ZIP アップロードは回避できる場合とできない場合があり確実性に欠ける
  • 修正版が出るまで自動更新を無効にして 8.1.8 のまま運用する
佐々木 太陽

・ Reddit、Stack Overflow、WordPress.org フォーラムを日々巡回し、現場の悩みを拾い上げて記事化 ・ WordPress、WooCommerce、Next.js などモダンWeb制作領域のトラブルシューティングが専門 ・ 「検索しても答えが見つからなかった」を一つでも減らすことが目標 ・ エラーメッセージから根本原因にたどり着く粘り強い調査が得意 ・ 初心者がつまずきやすい箇所を先回りで解決する記事作りを心がけている

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