
Google NotebookLMがGemini Notebookに改称、AIスクレイピング対策の緊急対応
Googleが研究支援ツールNotebookLMをGemini Notebookに改称した。実体は同じだが、このタイミングでユーザーエージェントの表記が「Google-NotebookLM」から「Google-GeminiNotebook」に変更される。旧ユーザーエージェントは2026年8月をもって廃止されるため、サイト運営者は数週間のうちにスクレイピング対策の見直しを迫られている。
今回の変更は単なる名称の刷新にとどまらず、AIによる自動コンテンツ収集と再利用のリスクを改めて浮き彫りにする。本記事では、Gemini Notebookのスクレイピング機能の実態、robots.txtを無視するユーザートリガー型フェッチャーの仕組み、そして具体的なブロック手法を簡潔にまとめる。
NotebookLMがGemini Notebookに改称、機能は変わらず

名前変更の背景と影響
2026年7月18日、Googleはユーザートリガー型フェッチャーのドキュメントを更新し、NotebookLMをGemini Notebookに置き換えた。ブランド統合の一環であり、既存のNotebookLMユーザーにとって使い勝手に違いは生じない。
しかし、サイト運営者にとって重大なのは、旧ユーザーエージェント「Google-NotebookLM」が2026年8月で無効になる点だ。ファイアウォールや.htaccessにこの文字列を直書きしている場合、猶予期間内に新しいユーザーエージェントへ切り替えなければ、ブロックが機能しなくなる。
Gemini Notebookの主な機能
Gemini Notebookは、ユーザーが提供した文書やURLを「グランドトゥルース(信頼できる基盤情報)」として扱い、AIが調査や学習を支援するマルチモーダルツールだ。YouTubeの動画や音声ファイルを取り込んで分析することも、逆にアップロードされた資料を音声ポッドキャストや動画解説に変換することもできる。
この「資料をもとに新しいコンテンツを自動生成する」という特徴が、後述するスクレイピング問題の根本にある。生成された音声や動画がオンラインで公開されれば、元の記事と直接競合する可能性があるからだ。
Gemini Notebookが引き起こすスクレイピング問題

Discover Sourcesによる自動スクレイピング
Gemini Notebookの「Discover Sources」機能は、ユーザーが設定したクエリやテーマに沿って最大10件のオンライン記事を自動で収集し、AI要約を生成する。問題は、サイト所有者の許可を一切取らずにクローリングが行われ、参照元へのリンクも一切発生しない点だ。
従来の検索エンジンであれば、クローラーが収集した情報は検索結果としてユーザーをサイトへ誘導する。しかしGemini Notebookの要約はクローズドな環境で完結し、トラフィックの恩恵は元サイトに還元されない。SEOの観点からは、コンテンツが無断で「搾取」される構造といえる。
音声・動画コンテンツの自動生成と競合
さらに、アップロードした資料からポッドキャストや動画解説を生成できる点も看過できない。仮に自社サイトの記事が材料に使われ、第三者が公開すれば、同一テーマでオリジナルと競合する二次コンテンツが無数に生まれる危険がある。
Googleのドキュメント上、これらは「ユーザー調査のための機能」と位置づけられているが、実質的には許可なきスクレイピングとリパーパス(再利用)を自動化する仕組みにほかならない。コンテンツを資産とするウェブサイト運営者にとって、対策は急務だ。
緊急対応すべきブロック手法

ユーザートリガー型フェッチャーとは
Gemini Notebookのクローラーは「ユーザートリガー型フェッチャー」に分類される。これは、ユーザーが明示的に指示(URL貼り付けやDiscover Sourcesの実行)をトリガーとして起動するため、robots.txtの指示に従わない。robots.txtはあくまで紳士協定であり、一般的なクローラーは自発的に従うが、ユーザートリガー型には適用されないのだ。
ただし、robots.txtが効かないからといって手立てがないわけではない。サーバー側でHTTPリクエストのユーザーエージェント文字列を検査し、該当するアクセスを拒否することは可能である。
.htaccessによる具体的なブロック例
多くのレンタルサーバーで使えるApache環境であれば、.htaccessに以下のルールを追記するだけでGemini Notebookのアクセスを遮断できる。
RewriteEngine On
# Gemini Notebookのユーザーエージェントをブロック
RewriteCond %{HTTP_USER_AGENT} Google-GeminiNotebook [NC]
RewriteRule ^ - [F,L]この設定により、該当のユーザーエージェントを含むすべてのリクエストに対して「403 Forbidden」が返される。Nginxを利用している場合は、if ($http_user_agent ~* "Google-GeminiNotebook") { return 403; } のような記述で同様の制御が可能だ。
重要なのは、新旧両方のユーザーエージェントをカバーするか、あるいは直ちに新UAのみに移行することである。2026年8月以降、旧UAはGoogle側で廃止されるが、それまでにサイト側のルールを更新しておかなければ、一時的にブロックがすり抜けるリスクが生じる。
旧ユーザーエージェントの猶予期間と注意点

Googleはドキュメント内で、旧ユーザーエージェント「Google-NotebookLM」を2026年8月までサポートすると明記している。ハードコードしているサイト運営者は、この期間内に新しい文字列へ切り替える必要がある。
なお、合わせて「Project Mariner」に関する記述がドキュメントから完全に削除された。同プロジェクトは2026年5月に終了しており、混乱を避ける意味でも、ユーザーエージェント周辺の情報は最新版を参照すべきである。
この記事のポイント
- NotebookLMはGemini Notebookに改称され、ユーザーエージェントが変更された
- Discover Sources機能が許可なく記事を収集し、AI要約や音声コンテンツを生成する
- ユーザートリガー型フェッチャーはrobots.txtを無視するが、ファイアウォールや.htaccessでブロック可能
- 旧UA「Google-NotebookLM」は2026年8月に廃止、既存のルールを直ちに更新する必要がある

・ 複数業界における17年間のデジタルビジネス開発経験
・ ウェブサイト開発のためのHTML、PHP、CSS、JavaScript等の実用的知識
・ 15ヶ国語対応の多言語SaaSの開発経験
・ 17年間にも及ぶ、Eコマース長期運営経験
・ 幅広い業界でのSEO最適化の豊富な経験
