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ChatGPT広告に製品カルーセルとAppsFlyer統合、EC向けパフォーマンス広告の基盤が加速

OpenAIがChatGPT上の広告に製品カルーセルを導入し、モバイルアプリ向けの計測基盤としてAppsFlyerとの連携を発表した。8月10日、マーケティングテクノロジー専門メディアMarTechが報じた内容だ。

小規模ECや個人事業主にもなじみ深いWooCommerceを使ったサイト運営をする事業者にとって、これらのアップデートはChatGPTをパフォーマンス広告のチャネルとして考えるきっかけになる。製品フィードから自動生成されるカルーセル、アプリインストールや購入のコンバージョンを計測できる仕組みがいよいよ揃ってきたからだ。

製品フィードがカルーセル広告に進化

製品フィードがカルーセル広告に進化

ChatGPT広告はこれまで、会話の下に1つの商品が表示されるだけのシンプルな形式だった。しかしOpenAIは約3カ月前にリリースした自動製品フィード機能を拡張し、同一広告内に複数の商品をカルーセル形式で並べる表示パターンを加えた。広告主が商品カタログを提供すると、OpenAIのシステムが単品表示かカルーセルかを自動で判断して表示する。

広告表示の自動最適化

広告のフォーマットは広告主が選べず、OpenAIが会話の文脈やユーザーの傾向を見て決める。カルーセルには現在、同一店舗・ブランドの商品が並ぶ仕様だ。広告主がコントロールできるのは、製品フィードに載せるデータの質と量だけという設計になっている。

これは一見すると広告主にとって不自由に映る。しかし、AIが最適な表示を選ぶことで、ユーザー体験を損なわずに商品訴求のバリエーションを増やせる利点がある。たとえば初めてそのブランドを知るユーザーには複数商品を見せるほうが有効だし、具体的な商品を質問してきたユーザーには1点に絞るような制御が期待される。

従来のChatGPT広告(Before)
おすすめ商品
商品A
ワイヤレスイヤホン
¥12,800
※1つの商品のみ表示
新たな製品カルーセル広告(After)
こちらもおすすめ
A
B
C
※複数商品をスワイプ表示

ChatGPT会話の下部に表示される広告エリアで、こうしたカルーセルがスワイプ操作によって商品を切り替えられるイメージだ。実際の表示は広告枠のサイズや文脈に応じて変化し、1商品の場合もある。

WooCommerceとの親和性

OpenAIの製品フィードは、Google Merchant CenterやFacebookカタログに似た仕組みで、オンラインストアの商品データを取り込む。WooCommerceを使うEC事業者なら、既存の商品フィード作成プラグイン(Google Product Feed、CTX Feedなど)を活用し、ChatGPT用にデータを整形するルートが考えられる。

現時点では公式のWooCommerce専用プラグインは存在しないものの、商品名・画像・価格・在庫状況を含むCSVやAPI経由でのアップロードが可能になれば、Shopifyストアと同様に少ない手間で連携できる見込みだ。広告フォーマットの自動選択をOpenAIに任せるため、広告主の運用負荷を下げつつ、商品露出の機会を増やすことができる。

AppsFlyer統合でアプリコンバージョン計測が可能に

AppsFlyer統合でアプリコンバージョン計測が可能に

OpenAIはモバイル計測プラットフォームのAppsFlyerと提携し、ChatGPT広告経由のアプリインストール、アプリ内課金、サブスクリプション契約を計測できるようにした。Adweekの報道によると、Grubhubを含む約40ブランドがテストに参加している。

アプリマーケターに新たな計測チャネル

アプリプロモーションを行う企業は、ChatGPTを他の有料チャネルと同じ指標で比較できるようになった。AppsFlyerのダッシュボード上で「ChatGPT」というメディアソースが追加され、クリックからインストール、初回購入までのアトリビューションデータが取得できる。これまで実験的な位置づけだったChatGPT広告が、ROAS(広告費用対効果)を測定できる本格的なパフォーマンスチャネルに近づいたといえる。

EC事業者への波及効果はこれから

この統合は現時点でアプリ内のコンバージョンに特化しており、Webストアの購入や会員登録を直接計測する機能は含まれていない。WooCommerceを中心に据えた純粋なWeb EC事業者にとっては、すぐに使えるソリューションとは言い難い。

しかし、OpenAIがアドテクノロジーへの投資を加速させている流れからすると、将来的にWebピクセルやサーバー間連携によるウェブコンバージョン計測が追加される可能性は高い。アプリとWebの両方を持つビジネスであれば、ChatGPT広告をアプリ向けの獲得経路として試験的に活用しつつ、今後の拡張に備えるのが現実的な一手だ。

パフォーマンス広告システムとしての基盤が整う

パフォーマンス広告システムとしての基盤が整う

製品フィード、自動カルーセル表示、サードパーティによるアトリビューション。この3要素が揃ったことで、ChatGPT広告は「何を表示し、どんな成果があったか」を一気通貫で管理できるパフォーマンス広告のインフラを手にした。MarTechの記事は、OpenAIが第4四半期とホリデー商戦に向けて、フィードベースのキャンペーンに関する広告主向けガイダンスを強化しているとも伝えている。

広告主のコントロール不足が課題

カルーセル表示の可否をOpenAIが決める設計は、広告主にとって不確実性を生む。どのような条件で単品と複数品を使い分けるのか、各フォーマットのパフォーマンスに差があるのか、透明性はまだ十分とは言えない。

広告テストを進める段階で、自分たちの商品が適切に露出されているかを検証しづらいのは痛手だ。OpenAIが今後、キャンペーン管理画面で表示ロジックの詳細を開示するかどうかが、広告主の予算拡大を左右するポイントになる。

スケール面の未知数

カルーセルや計測が整備されたことは、ChatGPT広告のテストを容易にする。しかし、それが「競争力のあるCPA(顧客獲得単価)で十分なコンバージョン量を継続的に生み出せるか」は別の問題だ。

ChatGPTのユーザー数は巨大だが、検索連動型広告やソーシャルメディア広告と比較した場合、購買意欲の高いユーザーにリーチできるかは未知数だ。WooCommerceサイトの運営者は、他の広告チャネルと同様に、CPAと獲得数のバランスを見ながらChatGPT広告の出稿判断を下すことになる。

この記事のポイント

  • ChatGPT広告に製品カルーセルが導入され、1広告で複数商品を表示できるようになった。
  • AppsFlyerとの提携により、アプリインストールやアプリ内購入のアトリビューションが可能になった。
  • 製品フィード、自動表示、計測というパフォーマンス広告の基本インフラが揃ったが、広告主の表示制御やスケール面の課題は残る。
  • WooCommerceなどのECプラットフォームでも、商品フィード連携を通じてChatGPT広告を活用する道が開かれている。