
Googleアナリティクス、AIアシスタントをデフォルトチャネルグループに追加
Googleアナリティクス(GA4)がAIアシスタントをデフォルトチャネルグループとして正式に追加した。ChatGPTやGemini、Claudeといった生成AIプラットフォームからWebサイトへの流入を、自動的に専用チャネルへ分類する仕組みだ。
この変更により、これまで「リファラル」トラフィックの中に埋もれていたAI経由の訪問を、特別な設定なしで分離して分析できるようになる。プロパティ管理者は、生成AIが自社のビジネスに与える影響を、よりクリアに把握できるようになった。
従来は正規表現を用いたカスタムチャネルグループの構築が必要だったが、今回のアップデートでその手間が不要になる。まさに、AIがもたらすトラフィックを「見える化」するための、Googleによる重要な一歩だ。
新たに追加されたAIアシスタントチャネルの詳細

今回のアップデートの中核は、トラフィックの分類方法に関するものだ。これまでAIプラットフォームからの訪問は、単なる「参照(リファラル)」トラフィックとして一括りにされていた。この新機能により、AIアシスタントからの流入は自動的に専用のチャネルグループ「AI Assistant」に振り分けられる。
具体的には、Googleアナリティクスが特定のAIアシスタントのリファラーを検出すると、そのセッションのメディア値に「ai-assistant」が自動的に割り当てられる。その結果、デフォルトチャネルグループレポート上で「AI Assistant」チャネルとして集計される仕組みだ。
chatgpt.com、claude.ai etc.
ChatGPT、Gemini、Claude
その他の参照元
■ 通常の参照トラフィック
このデモが示すように、AIプラットフォームからの流入は「参照」トラフィックの一部として見えづらかった。今回の変更で、専用チャネルとして独立し、そのボリュームが一日で把握できるようになる。
3つのトラフィックソースディメンションが同時に変更
このアップデートは、単にチャネルグループが増えただけではない。トラフィックソースに関連する3つのディメンションが一度に更新されている。
- メディア:AIアシスタントと判定された場合、「ai-assistant」という値が自動付与される
- デフォルトチャネルグループ:該当セッションは新設の「AI Assistant」チャネルにグループ化される
- キャンペーン:ディメンションには予約語「(ai-assistant)」がラベル付けされる
これらの変更はすべてプロパティに自動的に適用される。ユーザー側での手動設定は一切不要だ。
なぜ今、この機能が追加されたのか

GoogleがAIアシスタントを独立したトラフィックチャネルとして扱う動きは、およそ1年前から段階的に進められてきた。Search Engine JournalのMatt G. Southern氏によると、2025年8月に公開されたカスタムチャネルグループ構築ガイドでは、ChatGPTやGemini、Microsoft Copilot、Claude、Perplexityを追跡対象として挙げていた。これは、AIアシスタント経由のトラフィックを「個別に測定すべきカテゴリ」としてGoogleが明示的に認めた瞬間だった。
カスタムチャネルグループが抱えていた課題
これまで、AIアシスタントのトラフィックを分離するには、正規表現によるカスタムチャネルグループの構築が唯一の方法だった。しかし、この手法には運用上のいくつかの壁があった。
- 手動メンテナンスの負荷:AIプラットフォームのドメイン変更に合わせ、正規表現パターンを手動で更新し続ける必要がある
- 権限レベルの制約:GA4プロパティの「編集者」権限が必要で、アクセスできるユーザーが限られる
- リソースの制約:GA4ではカスタムチャネルグループは2つまでという上限がある。AI追跡のために貴重なスロットを1つ消費する必要があった
こうした制約は、特に人員やリソースが限られる中小企業のWeb担当者にとって、大きなハードルとなっていた。
過去の類似アップデートとの共通点
Googleが特定のトラフィックをデフォルトチャネルとして独立させるパターンは、今回が初めてではない。2022年には、Performance MaxキャンペーンやSmart Shoppingキャンペーンのトラフィックを捕捉するため、「クロスネットワーク」チャネルグループが追加された。この時も、手動設定なしにトラフィックを汎用バケットから専用チャネルへ移動させるという、今回と同様のアプローチが取られた。
また、AIトラフィックの計測を巡っては、これまでも課題があった。2025年にはAIモード検索のトラフィックが「参照」ではなく「ダイレクト」として誤って報告されるバグが修正された。さらに、Search ConsoleのパフォーマンスレポートにもAIモードのデータが追加されている。今回のデフォルトチャネル追加は、こうした一連の測定精度向上の流れに位置づけられる。
サイト運営者にとっての実務的メリット

最大の利点は、データ収集と分析の効率化だ。これまでカスタムチャネルグループで対応してきたプロパティは、ネイティブチャネルの適用により、その設定を簡略化できる可能性がある。複雑な正規表現のメンテナンスから解放されることで、分析業務の本質に集中できるようになる。
AI追跡用のチャネルグループを設定していなかったプロパティでは、これまで「参照」として一括りにされていたAIアシスタントからのセッションが、自動的に独立したチャネルとして表示され始める。たとえば、chatgpt.comやclaude.aiからの訪問が「参照」という見出しの下に隠れていた状況が解消され、専用のグラフや数値で確認できるようになる。
注意すべきリファラー制限
ただし、この新機能には依然として限界がある。AIアシスタントからのトラフィックのうち、リファラーヘッダーなしで到達したものは、引き続き「ダイレクト」トラフィックとして分類されてしまう。これは、アプリ内ブラウザやモバイルアプリからのアクセス、ユーザーがAIの回答からURLをコピー&ペーストして訪れた場合などに発生する。新チャネルが捕捉できるのは、あくまでGA4がリファラー情報によって識別できる範囲に限られるのだ。
この図が示すとおり、AIアシスタントからの流入すべてが新チャネルに振り分けられるわけではない。特にモバイルアプリ経由の流入には注意が必要だ。
現時点で判明している制限と今後の展望

Googleは、どのAIアシスタントが「認識済みリファラー」リストに含まれているのか、完全な一覧を公開していない。ヘルプセンターにはChatGPT、Gemini、Claudeの3つが例示されているが、2025年8月のカスタムチャネルガイドでは5つのプラットフォームを挙げていたことを考えると、現行の自動カバー範囲はまだ流動的な部分があると言える。
また、新しいプラットフォームが登場した際に、このリストがどのように更新されるのかについても、具体的なプロセスは示されていない。Search Engine Journalの記事でも指摘されているように、デフォルトチャネルグループの定義ページには、まだ「AI Assistant」がチャネル一覧表に追加されていない。そのため、完全な技術的定義を確認することは現時点ではできない状況だ。
こうしたギャップを埋めるため、昨年公開されたカスタムチャネルグループ向けの正規表現パターンは、依然として有効な補完ツールとなる。認識済みリストに含まれていないAIプラットフォームを個別に追跡したい場合は、従来どおりのカスタム設定が選択肢となる。
この記事のポイント
- GA4がAIアシスタントをデフォルトチャネルグループに追加し、ChatGPT等からのトラフィックを自動分類
- メディア、チャネルグループ、キャンペーンの3ディメンションが同時に更新され、手動設定は不要
- 従来必須だった正規表現によるカスタムチャネル構築が不要に、分析業務の効率が大幅に改善
- リファラーヘッダーがないアプリ経由等の流入は引き続き「ダイレクト」扱いとなる点に注意
- 認識済みAIアシスタントの完全リストは未公開、新興プラットフォームにはカスタム設定が有効

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