
Google広告が検索キャンペーンの言語ターゲティング設定を廃止。9月下旬から順次適用
Google広告が2026年9月下旬から、検索キャンペーンとP-MAX(パフォーマンスマックス)の検索枠におけるキャンペーンレベルの言語ターゲティング設定を廃止する。広告文とランディングページの言語が配信判断の主な基準となり、GoogleのAIによる言語理解がより大きな役割を担う。
この変更により、多言語キャンペーンの運用方法が変わる。既存キャンペーンの再構築は不要だが、規制業界の広告主には配信実績の文書化という未解決の課題が残る。
本記事では、言語ターゲティング廃止の具体的な内容、Googleの判定ロジック、広告主が取るべき対応を解説する。
言語ターゲティングで何が変わるのか

現行の仕組みと変更後
現在のGoogle広告では、キャンペーン設定で広告主が1つ以上の言語を選択する仕組みだ。同時にGoogleは検索クエリ、ユーザー設定、その他のAI由来のシグナルを基に、ユーザーが理解する言語を独自に判定している。この2つの条件が重なったときにだけ検索広告が配信される。
9月下旬以降、キャンペーンレベルの言語設定が検索キャンペーンから削除される。代わりにGoogleは広告クリエイティブとランディングページの言語、およびユーザーの理解言語に関する既存のAI判断を組み合わせて配信を決定する。
この変更により、キャンペーン設定で言語を指定する手間がなくなる。広告文とランディングページの言語がそのまま配信基準として機能するようになるのだ。
P-MAXへの影響範囲
P-MAX(パフォーマンスマックス)では、この変更の影響を受けるのは検索枠のみ。検索以外のチャネルではキャンペーンレベルの言語設定が引き続き使用される。つまりP-MAX全体が変わるわけではなく、Google検索に表示される部分だけが対象になる。
複数言語ユーザーへの広告配信ロジック

変更後の大きなポイントは、複数言語を理解するユーザーへの配信方法だ。英語とスペイン語の両方を理解するユーザーには、どちらの言語の広告も配信される可能性がある。GoogleのAIが広告グループ単位で優先順位付けを行い、検索に対して最適な言語を選ぶ。
検索クエリに明確な言語がある場合は、その言語の広告とランディングページが優先される。たとえばスペイン語で検索したユーザーには、スペイン語の広告が優先的に表示される仕組みだ。
Googleはクエリの言語だけでなく、ユーザー設定や過去の行動など複数のシグナルを組み合わせて最適な言語を選ぶ。複数言語を理解するユーザーに対しては、AIが広告グループ単位でより適切な言語を優先する仕組みだ。
ブランド検索における言語判断
ブランド検索では状況が少し複雑になる。ブランド名が複数言語で同一であることが多く、クエリ自体から言語を判断する手がかりが少ないからだ。たとえば「Nike」というブランド名は英語でもスペイン語でも同じ表記になる。
このような場合、Googleはクエリ以外の言語シグナルに依存し、ユーザーの優先言語を重視する。日常的に英語とスペイン語の両方で検索するユーザーには、どちらの言語の広告も配信対象になり得る。
Googleはこの変更が、キャンペーン設定による意図しないトラフィック制限を減らすとも説明している。たとえば英語でターゲティングしたキャンペーンにスペイン語の広告文やランディングページが含まれる場合、従来はキャンペーン設定がブロック役を果たしていた。今後はGoogleの言語理解に委ねられ、関連トラフィックを取りこぼしにくくなる見込みだ。
広告主が懸念する規制対応とAI生成クリエイティブ

規制業界の配信実績の文書化
発表前に行われたバーチャルラウンドテーブルでは、広告主からいくつかの質問が寄せられた。特に規制対象業界の広告主は、コンプライアンスに関する懸念を示した。
保険業界の広告主を例にとると、英語話者とスペイン語話者の両方に広告が公平に届いていることを文書で示さなければならない場合がある。Googleは両言語で広告を提供していれば、両方のグループにリーチする意図があると判断されると説明した。
ただし、ラウンドテーブルで出た質問は意図の話だけにとどまらなかった。キャンペーン設定ではなくGoogleの自動判定が言語ごとの配信を決めるようになった場合、広告主がどのように配信実績を証明するかという点は未解決のままだ。Googleは言語別の配信状況やパフォーマンスの差を確認できる追加のレポート機能を発表していない。
AI Maxと自動生成クリエイティブ
P-MAXと自動生成クリエイティブに関しても質問があった。ケベック州をターゲットにしたAI Maxキャンペーンで、AIがフランス語のクリエイティブを生成した場合、英語で検索するユーザーにそのフランス語広告が表示される可能性はあるのか。Googleは「可能性がある」と回答した。
クリエイティブの生成が先に行われ、その後Googleが利用可能な広告とランディングページをユーザーが理解できるかをチェックする。クエリの言語と広告の言語が一致していなくても、ユーザーが理解できると判断されれば配信される仕組みだ。
検索クエリの言語と広告の言語は必ずしも一致する必要がない。Googleがユーザーの理解言語を判断し、優先順位付けシステムが最適なクリエイティブを選ぶためだ。
広告主が取るべき具体的な対応

既存キャンペーン構造の扱い
大多数の広告主にとって、この変更は大きな影響を及ぼさない。Googleも既存キャンペーンの再構築は不要だと明言している。言語別にキャンペーンを分けている場合も、そのままの構造を維持してよい。言語設定が検索からなくなったからといって、キャンペーンを統合する必要はない。
注意が必要なのは、言語ターゲティングを本来の目的以外に使っていたケースだ。旅行、国際展開、規制対象などの業界では、言語設定がオーディエンスの絞り込みやコンプライアンス要件に影響していることがある。
Google広告APIを利用する広告主は、検索キャンペーンの作成・更新時に言語条件を送信するのをやめることが推奨されている。既存の言語条件は残っても構わないが、検索ターゲティングには影響しなくなる。
適用後に監視すべき指標
具体的には、広告文とランディングページが意図した言語で書かれているか確認するべきだ。特に多言語キャンペーンやAI生成アセットを利用する場合は注意が必要。Googleが広告文とランディングページの言語を基準にするため、これらの言語が正確に設定されていないと配信に影響する。
変更が適用された後は、検索語句や地理的トラフィックの変化、流入ユーザーの言語属性などを確認し、パフォーマンスを監視する。国際展開や多言語運用を行う広告主は、特にこれらの指標に注意を払う必要がある。
パフォーマンスと流入ユーザーの構成がおおむね安定していれば、Googleの主張どおり言語設定が実質的に重複していたと言える。一方、言語設定を追加のオーディエンス制御層として使っていたケースでは、適用後の変化を見極めるのに時間がかかるかもしれない。
この記事のポイント
- Google広告が検索キャンペーンとP-MAXの検索枠からキャンペーンレベルの言語ターゲティング設定を廃止する
- 変更は2026年9月下旬から順次適用され、広告文とランディングページの言語が配信判断の主な基準になる
- 既存キャンペーンの再構築は不要で、言語別に分けている場合もそのまま維持できる
- 規制業界では配信実績の文書化について未解決の課題が残る
- P-MAXでは検索以外のチャネルでキャンペーンレベルの言語設定が引き続き使われる

・ 複数業界における17年間のデジタルビジネス開発経験
・ ウェブサイト開発のためのHTML、PHP、CSS、JavaScript等の実用的知識
・ 15ヶ国語対応の多言語SaaSの開発経験
・ 17年間にも及ぶ、Eコマース長期運営経験
・ 幅広い業界でのSEO最適化の豊富な経験

Google広告の目標ベース入札が8月17日に変更、EC事業者が取るべき対策
8月17日からGoogle広告の入札ロジックが変わる。予算制限キャンペーンの「隠れ効率」を守るには

Google広告の目標ベース入札戦略(目標CPA・目標ROAS)を使っているEC事業者は、2026年8月17日の変更を無視できない。予算が不足しているキャンペーンで、実際のパフォーマンスが目標を大幅に上回っていた場合、その「おまけの効率」が失われる可能性があるからだ。
具体的には、予算不足のステータスにある目標CPA・目標ROASキャンペーンが、設定された目標値に積極的に近づくように最適化される。これまでは予算が上限だったために自動的に抑えられていたCPAが、目標値まで上昇するリスクがある。変更は自動適用で、オプトアウトは不可能だ。
この記事では、変更の技術的な中身、影響を受けるアカウントの見分け方、そして8月17日までに打つべき具体的な対策を解説する。
目標ベース入札の「おまけ」はなぜ生まれていたのか

まず、なぜ「目標よりも良い数字」が出ていたのか、その仕組みを整理しておこう。
予算上限が事実上のストッパーになっていた
予算不足のキャンペーンでは、アルゴリズムは与えられた予算内で最も安いコンバージョンをかき集める動きをする。目標CPAが100ドルでも、予算が尽きれば50ドルのコンバージョンしか取れず、結果として目標値を大きく下回る実績が続く。これはアルゴリズムの優秀さではなく、単に「目標まで使い切れなかった」状態だ。
つまり、50ドルと100ドルの差額は「アルゴリズムが本当に達成できる上限」ではなく、「予算という壁によって未使用のまま残されていた余地」だった。この余地が8月17日以降、システムに「使える領域」として認識される。
変更後は目標が「天井」から「到着点」に変わる
アップデート後、予算不足の状態でもアルゴリズムは「設定された目標CPAまで単価を上げてでも、コンバージョンを追求する」方向にシフトする。これまで自動的に節約されていた差分がなくなり、実際のCPAが目標値に近づいていく。
重要なのは、Googleが予算そのものを自動的に引き上げるわけではない点だ。あくまで、すでに広告主が設定した目標値を「本気で達成しようとする」挙動に変わる。Search Engine Journalの記事でも、Google広告担当Ginny Marvin氏が「これは広告主に支出を増やすよう促す変更ではない」と明確に述べている。目標が実態と合っていなければ、それは広告主側の設定ミスとして表面化する。
最もリスクが高いのは「放置された目標値」だ

今回の変更で真っ先にダメージを受けるのは、目標CPAや目標ROASを「とりあえずの数字」で設定したまま、実績だけが良かったアカウントである。
「なんとなく目標」が突然、現実のコストになる
たとえば、目標CPAを100ドルと設定したが、実際の損益分岐点は80ドルだったとする。これまで実績が50ドルで推移していたため誰も気にしなかったが、8月17日以降はシステムが100ドルを目指し始める。結果として、CPAは80ドルの損益ラインを超え、静かに赤字が発生する。数字が表面化するのは翌月のレポートだ。
ROASでも構図は同じだ。目標ROASを400%としていたが、実際には600%で回っていたキャンペーンは、変更後に400%へと低下する。これが許容できる数字かどうかは、粗利益率に基づいて決めるべきであり、変更後に「気づいた」では遅い。
「予算不足」のラベルがついたキャンペーンをすべて洗い出せ
まずやるべきは、現状の棚卸しだ。Google広告の管理画面で「予算不足」と表示されているキャンペーンのうち、目標CPAまたは目標ROASを使用しているものをすべて抽出する。過去90日間の実際のCPA・ROASと、設定された目標値を比較し、実績が目標を大幅に下回っている(CPAの場合)、または上回っている(ROASの場合)キャンペーンを特定する。
これらが、8月17日以降に数字が動く「要注意リスト」である。
8月17日までに選ぶべき3つの選択肢

要注意リストに載ったキャンペーンごとに、以下の3つの方針から1つを選ぶことになる。放置は最もコストのかかる選択だ。
いずれを選ぶにせよ、重要なのは8月17日より前に手を打つことだ。変更後に数字が動いてから「なぜCPAが上がったのか」を説明するのは、社内でもクライアントに対しても難しい。事前に「このキャンペーンは目標を調整した」「予算を増やして拡大フェーズに入る」と一言共有しておくだけで、後のトラブルを防げる。
ECのP-MAX・ショッピングキャンペーンで特に注意すべき点

予算不足で運用しているアカウントの多くは中小規模のEC事業者である。特にショッピングキャンペーンやP-MAX(パフォーマンスマックス)キャンペーンでは、2つの点に警戒が必要だ。
実績ROASの下方シフトは「静かな利益消失」を招く
予算上限があるショッピングキャンペーンやP-MAXで目標ROASを設定し、実績がそれを上回っていた場合、8月17日以降はROASが目標値付近まで下がる。これはつまり、同じ予算で得られる売上高が減るか、売上を維持するために広告費が増えることを意味する。
対策はシンプルで、目標ROASを「切りの良い数字」ではなく、粗利益率(貢献利益)から逆算した損益分岐点に設定し直すことだ。400%というラウンドナンバーに根拠はない。実務に基づいた数値に置き換えるべきである。
チャネル間のトラフィックシフトを見逃すな
P-MAXキャンペーンは検索、ショッピング、YouTube、ディスプレイなど複数のチャネルにまたがって配信される。Googleは今回の変更に伴い、「システムが目標値にリバランスする過程で、チャネル間のトラフィック比率が変わる可能性がある」と明言している。
具体的には、CPAやROASを目標に近づけるために、単価の安いが購買意欲の低い在庫(たとえば、ディスプレイネットワークの特定のプレースメント)へトラフィックが流れるリスクがある。8月17日以降は、キャンペーンのチャネル別レポートを週次で確認し、「コンバージョンは増えたが、すべてディスプレイ経由だった」といった質の変化を早期に捉える必要がある。
「スマート自動入札の探索」はコントロールされた拡大の手段になる
もし「現在の効率を維持しつつ、新しいコンバージョン機会も探りたい」と考えるなら、8月17日の変更にただ流されるよりも、積極的な手段を取れる。
Googleが6月15日に拡大した「スマート自動入札の探索」機能は、設定したROASの許容範囲内で、普段はスキップされるようなクエリにも入札できるようにするものだ。P-MAXキャンペーン(商品フィードなし)では全アカウントで利用でき、フィードありのショッピング・P-MAXではベータ版として提供されている。
Googleの社内テストでは、ユニークなコンバージョンクエリカテゴリが18%増加し、コンバージョン数が19%増加したと報告されている。これはあくまでGoogleの数値であり、独立した検証ではないが、「狙ってリーチを広げる」ためのレバーとして存在していることは押さえておきたい。
8月17日の変更は、広告主が放置していた「目標値と実績のギャップ」を自動的に埋める。探索機能は、そのギャップを「広告主が定義したルールの下で」使うための道具だ。「なんとなくボリュームが増えた」ではなく、「この範囲なら受け入れる」と決めて臨む方が、はるかに健全である。
この記事のポイント
- 8月17日から、予算不足の目標CPA・目標ROASキャンペーンは、実際のパフォーマンスが目標値に近づくように自動調整される。オプトアウトはできない。
- これまで「目標より良い数字」が出ていたのは、予算上限が効率的に働いていただけであり、変更後はその余剰分が失われる。
- 最も危険なのは、実態とかけ離れた目標値を設定したまま放置しているアカウント。8月17日より前に、予算不足キャンペーンの目標値を見直す必要がある。
- 対策は「目標を実績に合わせる」「予算を増やして拡大する」「意図して変更を受け入れる」の3つから選択する。
- P-MAXではチャネル間のトラフィックシフトにも注意し、変更後の数字をチャネル別に監視すること。

・ 複数業界における17年間のデジタルビジネス開発経験
・ ウェブサイト開発のためのHTML、PHP、CSS、JavaScript等の実用的知識
・ 15ヶ国語対応の多言語SaaSの開発経験
・ 17年間にも及ぶ、Eコマース長期運営経験
・ 幅広い業界でのSEO最適化の豊富な経験

Google LSAがGoogle広告に統合、2026年8月から段階移行へ
GoogleがLSA(Local Services Ads / ローカルサービス広告)の管理画面をGoogle広告に統合する。2026年8月から一部の米国広告主を対象に移行が始まり、2027年にかけて段階的に拡大される予定だ。
移行後はGoogle広告内でキャンペーン管理やリード対応が完結する。ただし入札方式やレポートの扱いが変わるため、事前の準備が欠かせない。本記事では移行のスケジュールや変更点、広告主が取るべき対応を3つのポイントに絞って解説する。
LSAのGoogle広告統合で何が変わるのか

LSA(ローカルサービス広告)は、もともとGoogle検索やマップの上部に表示される問い合わせ獲得型の広告だ。ユーザーが「近くの電気工事業者」などと検索すると、電話やメッセージでのリード獲得を主目的とした事業者一覧が表示される仕組みである。
今回の統合により、LSAはGoogle広告の管理画面から操作する形へと一本化される。従来のLSA専用ダッシュボードは廃止され、キャンペーンの作成からリード対応までをGoogle広告内で処理できるようになる。
移行スケジュールは2026年8月から段階的に
Googleが公開したスケジュールによると、最初の移行対象は米国の一部広告主であり、ペットケアやホームサービス、ウェルネス、教育関連の業種が含まれる。2026年8月にこの第1陣の移行が始まり、同年後半に米国内の対象が拡大される見込みだ。
米国以外のアカウントや残りの業種については2027年に対応が進む。アカウント管理者には移行の14日前と7日前に通知が届き、移行完了時にも確認の連絡があるため、突然ダッシュボードが使えなくなる事態は避けられる。
管理フローの一元化によって作業負荷は減る一方で、従来のLSA専用画面に慣れた事業者や代理店には操作変更への対応が求められる。
新しいLSAキャンペーンの仕組み

統合後のLSAは、Google広告のP-MAX(Performance Max)キャンペーンとして配信される。ただし名称こそP-MAXだが、配信面や課金方式は従来のLSAと変わらない点に注意が必要だ。
配信面と課金方式は変更なし
LSAは今後もキーワードの入札なしで、Google検索とマップにのみ表示される。クリック課金ではなく、電話、メッセージ、予約といった有効リードに対して料金が発生する仕組みも維持される。P-MAXと聞くとディスプレイ広告や動画広告まで配信対象が広がるイメージがあるが、LSAの場合はあくまで検索とマップに限定される形だ。
Google広告内で完結するキャンペーン管理
広告主はGoogle広告の管理画面でLSAキャンペーンの設定、リードの確認、返信をすべて行えるようになる。従来のLSA専用ダッシュボードは移行後に利用できなくなるため、操作に不慣れな場合は早めにGoogle広告の画面構成を確認しておくとスムーズだ。
キャンペーン管理で変わる5つのポイント

統合に伴い、予算の考え方や入札、レポートの扱いが一部変更される。Search Engine Journalの記事で挙げられた主な変更点を整理する。
予算は週単位から日単位へ
従来のLSAは週平均の予算で運用されていたが、移行後はGoogle広告の他のキャンペーンと同様に日額予算での管理に変わる。1日あたりの支出上限が設定されるため、週単位のざっくりした予算配分からより細かい調整が必要になる。
手動入札が廃止され目標CPAがキャンペーン単位に
これまで一部の広告主は「リード1件あたりの上限単価」を手動で設定できたが、この機能は使えなくなる。代わりに、Googleが算出するキャンペーン単位の目標CPA(リード獲得単価の目標値)が適用される。
サービスカテゴリごとに異なる目標CPAを設定することもできなくなる。たとえば配管工事と空調工事の両方を1つのキャンペーンで広告している事業者の場合、双方のリードコスト差にかかわらず1つの目標CPAに統一される。この点は業種によって影響が大きいため、キャンペーン分割の要否を検討する必要がある。
ビジネス情報はGBPと自動同期
事業者名や住所、営業時間といった基本情報はGBP(Google Business Profile / グーグルビジネスプロフィール)から自動で同期される。これまではLSAとGBPで別々に情報を更新する手間があったが、統合により片方だけ変更するリスクは減る。ただし、大幅な名前や住所の変更を行うと24〜48時間の確認プロセスが入り、キャンペーンが一時停止する可能性がある。
レポートとリード管理の拠点が切り替わる
過去のパフォーマンスレポートはGoogle広告に引き継がれない。リードの履歴は移行されるものの、レポートデータへのアクセスは移行完了と同時に失われる。年度比較や顧客報告に必要なデータは事前にダウンロードしておくことが必須だ。リード対応についても、Google広告内のLead Manager(リード管理画面)に切り替わる。
広告主が移行前後に取るべき対策

移行をスムーズに進めるために、広告主や代理店が今から着手できる準備を整理する。移行の通知を受け取ってから慌てないよう、以下の2点を押さえておきたい。
履歴レポートのダウンロードを最優先に
最も重要なのは、LSAダッシュボードに保存されている過去のパフォーマンスデータをエクスポートすることだ。移行後はレポート画面自体がなくなるため、後から取り出すことはできない。
複数アカウントを管理する代理店は、通知を受け取る前にバックアップ作業を始めておくと安全だ。前年比較レポートを作る予定のある事業者も、今のうちに必要な期間のデータを保存しておくことを推奨する。
移行後の設定を丁寧に確認する
Googleがキャンペーン設定を自動で移行するが、広告主自身で以下の項目を再確認すべきである。
- 日額予算が事業計画と合っているか
- キャンペーン単位の目標CPAが過去のリード単価と大きく乖離していないか
- サービスカテゴリや配信地域が正しく設定されているか
- 広告スケジュールが想定通りか
- リード転送先の電話番号や写真、訴求文に誤りがないか
事業者名や住所に大きな変更があると、前述の通り審査が入りキャンペーンが止まる可能性がある。配信再開までに数日かかるケースもあるため、移行直後の大口変更は避けたほうが無難だ。
Googleは移行後すぐに広告が表示される場合もあるとしているが、パフォーマンスが安定するまで最大2週間をみておく必要がある。
統合がもたらす影響と今後の見通し

今回の統合の最大の焦点は、カテゴリ別の目標CPAが廃止される点にある。リード単価の大きく異なる複数サービスを1つのキャンペーンで運用してきた事業者は、キャンペーンを分割するか、まとめたまま自動入札に任せるかの判断を迫られる。
分割すれば入札のコントロールは細かくなるが、各キャンペーンのコンバージョンデータが少なくなり、Googleの自動最適化が働きにくくなる面もある。リード数の多い事業者は分割、まだボリュームの少ない事業者は統合したまま様子を見るという選択肢が現実的だ。
初期移行グループの状況を見ながら、Googleは追加のガイダンスを出すとみられる。とくに日本国内の広告主が対象となるのは2027年以降と見込まれるため、まずは米国の事例を参考にしつつ、自社のLSAデータを整理しておくのが賢明だろう。
この記事のポイント
- LSAの管理画面が2026年8月からGoogle広告に統合される
- 配信面とリード課金の仕組みは変わらないが、予算管理や入札方式が変更される
- カテゴリ別目標CPAの廃止が事業者に与える影響は大きく、キャンペーン分割の要否を検討する必要がある
- 過去レポートは移行前に必ずダウンロードしておくこと
- 日本国内の移行は2027年以降の見込みだが、今からデータ整理を始めておくとよい

・ 複数業界における17年間のデジタルビジネス開発経験
・ ウェブサイト開発のためのHTML、PHP、CSS、JavaScript等の実用的知識
・ 15ヶ国語対応の多言語SaaSの開発経験
・ 17年間にも及ぶ、Eコマース長期運営経験
・ 幅広い業界でのSEO最適化の豊富な経験

Googleの新AI広告機能、EC事業者向け3つの重要ポイント
Googleが年次イベントMarketing Liveで発表した約70の新広告機能のうち、EC事業者にとって特に重要な3つの変化を解説する。AIモードの新広告フォーマット、広告運用を支援するAIエージェント「Ask Advisor」、そしてYouTubeとDemand Genの統合強化だ。いずれもAIを軸にしたもので、広告の作り方と運用の仕組みを大きく変える可能性がある。
今回のアップデートの中核にあるのは、AIによる広告生成とデータ分析の自動化である。広告主が細かく設定しなくても、Googleが提供された素材から広告を組み立て、最適な形で配信する流れが加速している。この変化に対応するには、従来の手作業による運用から、AIに指示を出す「ディレクション型」の運用への転換が求められる。
AIモードに表示される3つの新広告フォーマット

GoogleはAIモード(AI Mode)で表示可能な広告フォーマットとして、以下の3種類を新たに導入した。これらの広告は広告主が個別に作成するものではなく、Googleが提供されたアセット(画像やテキスト素材)をもとに自動生成する形式をとる。
3つのフォーマットに共通するのは、レスポンシブ対応で広告のテキストやクリエイティブが自動調整される点だ。Googleは広告主が登録したアセット情報をもとに、テキストのカスタマイズや最終リンク先URLの拡張まで動的に制御する。これはPerformance MaxやAI Max for Searchといった、AIベースのキャンペーンを運用している広告主にとって、特に露出機会が増える仕組みになっている。
AIによる広告生成が進むほど、広告主が直接コントロールできる範囲は狭まる。しかし、その分だけ「どんなメッセージをAIに伝えるか」というブランドガイドラインの重要性が高まっている。Googleはすでに、AI Brief(AIへの指示書)とテキスト免責事項という2つのブランドガイドライン機能を提供しており、どのような表現を使うか、使わないかを事前に指定できるようになっている。
広告運用を支援するAIエージェント「Ask Advisor」

Googleは広告管理のためのAIエージェント「Ask Advisor」を発表した。これはGoogle広告やGoogleアナリティクスなど、主要なプラットフォーム上で利用できる。広告キャンペーンのパフォーマンス分析や改善提案を、チャット形式で受けられるのが特徴だ。
アカウント拡大の補助としての実力
Ask Advisorの出力は、入力されたデータの質に左右される。つまり、広告主側がどれだけ詳細な情報を与えられるかが、有用な分析を得るための鍵となる。Practical Ecommerceの記事では、映画やコミックのグッズを販売するEC事業者の事例が紹介されている。Ask Advisorは新たなカテゴリ展開の候補として「ゴーストバスターズ」と「スパイダーマン/マーベル」を提案した。
この事例が示すように、Ask Advisorの提案は「部分的な正解」にとどまる。取り扱いのない商品を提案したり、鮮度の低い市場情報をもとにしたりするケースがある。AIはあくまで分析の補助であり、最終的な判断は広告主自身が行う必要がある。特にECの場合、実際の在庫や仕入れ状況をAIが完全に把握しているわけではない点に注意が必要だ。
クリエイティブ制作を効率化する「Asset Studio」
Ask Advisorと並んで紹介されたのが、広告用のクリエイティブ素材を管理・生成する「Asset Studio」である。今回のアップデートでは、以下の2つの大きな改善が加わった。
- Googleネイティブとサードパーティのクリエイティブを一元管理できるハブ機能の追加
- ブランドガイドラインをアップロードして、AIに自社のトーンやデザインルールを学習させる機能の追加
これにより、複数のツールに散らばっていたクリエイティブ素材を一箇所に集約し、ブランドの一貫性を保ったままAIに広告バリエーションを生成させることが可能になる。EC事業者の場合、商品画像やキャッチコピーが多数存在するため、この一元管理のメリットは大きい。
YouTubeとDemand Genの統合がECに与える影響

Googleは従来のディスプレイキャンペーンをDemand Genに移行することを発表した。Performance Max、Demand Gen、動画キャンペーンがすでにディスプレイネットワーク上で配信されているため、単独のディスプレイキャンペーンタイプは不要と判断された形だ。この変更の本質は、YouTubeとDemand Genの連携強化にある。
Merchant Centerフィードとの連携
今回のアップデートで、Merchant Centerの商品フィードをDemand Genキャンペーンに直接接続できるようになった。これにより、EC事業者は自社の商品を関連性の高いYouTube動画内で表示させることが可能になる。
この仕組みは、ブランドがクリエイターとの信頼関係を活用してリーチを拡大する流れを加速させる。YouTube動画の視聴者はエンタメや情報収集を目的としており、その文脈の中で関連商品が自然に提示されることで、従来のバナー広告よりも高いエンゲージメントが期待できる。
EC事業者にとって重要なのは、動画コンテンツと商品データの連携を意識した戦略設計だ。Merchant Centerの商品フィードを整備し、商品タイトルや説明文を最適化しておくことで、AIが自動生成する広告の精度が向上する。また、どのようなクリエイターや動画コンテンツと自社商品が親和性を持つかを事前に分析しておくことも、効果を高める要素となる。
この記事のポイント
- Google AIモードには「直接オファー」「会話型発見」「強調回答」の3つの新広告フォーマットが登場し、いずれも広告主のアセットからAIが自動生成する
- AIエージェント「Ask Advisor」は広告分析を補助するが、提案の正確性には限界があり、人間による最終判断が不可欠である
- ディスプレイキャンペーンはDemand Genに移行し、Merchant CenterフィードとYouTube動画の連携が強化された
- AIによる広告運用の自動化が進むほど、「AIに何を指示するか」というブランドガイドラインと商品データの整備が競争力を左右する

・ 複数業界における17年間のデジタルビジネス開発経験
・ ウェブサイト開発のためのHTML、PHP、CSS、JavaScript等の実用的知識
・ 15ヶ国語対応の多言語SaaSの開発経験
・ 17年間にも及ぶ、Eコマース長期運営経験
・ 幅広い業界でのSEO最適化の豊富な経験

AIエージェントがECデータを扱うには MCPでアクセスと安全を両立する方法
AIエージェントにGoogle広告の運用を任せようとした検索広告担当者は、同じ話を口にする。パフォーマンスデータをエクスポートし、チャット画面に貼り付け、的確な回答を得て、翌日も同じ作業を繰り返す。
これは自動化ではない。手作業の窓口が変わっただけだ。AIツール自体に問題があるわけではない。主要なモデルは、適切なデータが目の前にあれば高度な分析をこなせる。課題は、そのデータをリアルタイムに、かつ人間がコピーして渡さなくても届けられるかどうかだ。
2026年現在も、ほとんどのPPCアカウントはAIエージェント登場以前とほぼ同じ運用フローにとどまっている。その根本原因は「データの壁」にある。本記事では、この壁を壊す技術であるMCP(Model Context Protocol)と、ECや広告運用の現場で安全に導入するための考え方を整理する。
「もっと良いプロンプト」では解決できない問題
広告プラットフォームは設計上、それぞれがサイロ化している。Google広告はコンバージョンを記録する。CRMはそのリードが商談化可能かを管理する。在庫システムはクリックされた商品がまだ倉庫にあるかを知っている。どのシステムも、意図的な配管なしには相互に会話しない。
検索広告の担当者は長年、このギャップを手作業で埋めてきた。週次のエクスポート、突合せ用のスプレッドシート、月曜朝には最新ではなくなっているダッシュボード。人が決まったスケジュールで橋渡しする分には成り立っていたが、AIエージェントに実行を委ねる瞬間、構造的な問題として立ちはだかる。
たとえば、Google広告上は表示回数も多く、許容範囲のCPA(顧客獲得単価)とCVR(コンバージョン率)を示すキーワードがあったとする。しかしHubSpotでは、そのコンバージョンは「商談不適格」とタグ付けされている。地域が違う、予算がない、まったく別の企業規模だ。エージェントには知る術がない。入札を続け、予算を消費し、問題は月次の振り返りでようやく表面化する。
これはプロンプトの問題ではない。データアクセスの問題だ。より良い指示文では修正できないが、より良いパイプラインなら解決できる。
MCPがエージェントにデータとスキルを渡す仕組み

Model Context Protocol(MCP)は、AIクライアントが外部のツールやデータソースと接続するためのオープン標準だ。個別のカスタム統合を書く代わりに、プラットフォームが一度MCPサーバーを公開すれば、ClaudeやChatGPTのエージェントモード、自社構築のエージェントなど、互換性のあるあらゆるAIクライアントが接続できるようになる。
これまでエージェントにGoogle広告とCRMと在庫システムを読ませようとすると、3つのコネクターを個別に作り、保守する必要があった。データソースが増えるたびに負荷は増大する。MCPは握手の手順を標準化し、インフラの複雑さを解消する。
この図のように、MCPを導入するとエージェントは必要なデータソースに直接アクセスできる。GoogleはすでにGoogle Ads API MCPサーバーをGitHub上でオープンソース化しており、エージェントがGAQL(Google Ads Query Language)クエリをライブアカウントデータに対して直接実行できる環境が整いつつある。
データが流れ始めると何が起こるか

まずCRMとの断絶が解消される。Google広告とHubSpotの両方に接続したエージェントは、先月のコンバージョンを取得し、CRM上の商談結果と突合して、不適格リードを生んでいるキーワードを特定できる。そして、該当するキーワードの入札を自動的に下げる。これまで半日かかっていたループが、スケジュール実行に変わる。
在庫も同じ盲点だった。Shopifyに接続したエージェントは、週末キャンペーンが開始される前に在庫レベルをチェックできる。SKUがしきい値を下回ったら、関連する商品グループを一時停止し、もはやコンバージョンが見込めないページへのトラフィックを未然に防ぐ。
データパイプラインの構築作業自体も高速化する。PPC専門家のLars Maat氏は、Pythonの経験がない状態から、Google Maps APIとGoogleのThings To Do機能、Ahrefsを接続し、駐車場クライアント向けに最適化されたランディングページを生成するパイプラインをわずか2週間で構築したという。必要なデータをAIの前に正しく置くことさえできれば、あとはエージェントが実行する。
アクセスだけでは足りない ガードレールなきリスク
ここからが本題だ。書き込み権限のあるGoogle広告アカウントへのアクセスを、確率的な言語モデルの手に渡すことは、新たなリスクカテゴリを生む。キャンペーンを一時停止できるエージェントには、どのしきい値で動作をトリガーするか、発動前に誰に通知するか、どのキャンペーンタイプは人間の承認が必要かといったパラメータが不可欠だ。こうした制約はAIツールの内部には存在せず、周囲に構築しなければならない。
Anicca Digital創設者で英国有数のペイドメディア実務者であるAnn Stanley氏は、効果的なAI導入を「サンドイッチ」にたとえている。最前線には目標を理解し正確な指示を与える人間がおり、最後尾には出力をレビューし何を反映するか判断する人間がいる。AIはその中間で実行を担う。出力の品質は、投入されるデータの品質と、中間層に制約が存在するかどうかに左右される。
Googleがオープンソース化したMCPサーバーは優れたインフラだが、安全網ではない。エージェントが構築したクエリや変更を忠実に実行し、エージェントがキャンペーンIDを誤認したり誤ったルックバックウィンドウを選んだりすれば、その結果は広告アカウントが引き受けることになる。LLMは確率的であり、広告プラットフォームのAPIはそうではない。だからこそ、その間に座る仕組みが必要だ。
Optmyzr MCPが提供する安全な実行レイヤー
PPC管理プラットフォームを提供するOptmyzrは、Google広告の実際の振る舞いを10年以上にわたってコード化してきた。APIが公開する情報だけでなく、設定間の相互依存関係、キャンペーンタイプごとのエッジケース、重複キーワードの真偽判定といったナレッジが同社のビジネスインテリジェンス層として蓄積されている。OptmyzrのMCPコネクターは、その知見をAIエージェントが借りられるようにするためのものだ。
ClaudeやChatGPT、あるいはチームのカスタムエージェントがOptmyzr MCPに接続すると、同プラットフォームで提供されているSidekick機能と同等の能力を得る。豊富なフィルタとセグメントによるPPCレポートの取得、設定済みアラートの表示と編集、マーチャントフィードの詳細取得、全アクティブアカウントのポートフォリオ健全性の要約などが可能になる。そして最も見落とされがちなのが、自然言語の指示からルールエンジン戦略を生成し実行する機能だ。
このアプローチが、多くの自作セットアップと異なる理由は3つある。
- 一文から戦略を生成し、Optmyzr内で実行する。 MCPのルールエンジン機能は、「過去14日間でCPAが目標から20%以上乖離したキャンペーンを見つけ、入札調整戦略を立案して」といった自然言語の指示を受け取り、対応する戦略を生成してアカウントに適用し、結果を分析して推奨事項を返す。LLMが意図を書き、Optmyzrの決定論的エンジンが作業を行う。この実行と制御の層は、生の広告プラットフォーム向けMCPにはないものだ。
- クロスアカウントかつポートフォリオ規模の分析が可能。 OptmyzrのUI内のSidekickは単一アカウントの単一ページの文脈では優れている。MCPは「保有する80アカウントのうち、今月除外キーワードの浪費が上昇傾向にあるのはどれか」といった問いに答えるために使う。Optmyzr MCPに接続したAIクライアントは、1回のプロンプトで全アカウントに問い合わせを展開できる。代理店が生のAds APIではなくOptmyzr MCPを選ぶ最大の理由がここにある。
- Sidekickから継承されるガードレール。 Optmyzr MCPを通じて実行されるすべてのアクションは、Sidekickを直接使用する場合と同じ権限とワークフローロジックの下で動作する。エージェントは分析、戦略立案、アラート通知を行い、変更案を作成する。実際の変更は人間または既存の承認フローが送り出す。Stanley氏の言う「安全のサンドイッチ」が製品に組み込まれている。
結果として、APIの到達範囲と、AIエージェントというカテゴリが生まれる前からこの分野にいるプラットフォームの判断力、そして自前で回路遮断器を構築せずに済む安全な姿勢を兼ね備えたエージェントが、ポートフォリオ全体で稼働する。
実践的な導入ステップ

まずは読み取り専用で様子を見たいなら、Windsor.aiやZapierのMCP統合が最も手早い。ガードレールの管理に自信があるなら、GitHub上のGoogle Ads API MCPサーバーで正確なGAQL制御を手に入れられるが、そのぶん安全層の構築は自前になる。
ミスが許されないクライアントアカウントを運用している場合、あるいはAIエージェントにシニアPPCストラテジストの判断力で全ポートフォリオを考えさせたい場合は、Optmyzr MCPが安全に「鍵を渡せる」エージェントへの最短経路だ。Claude Desktop(カスタムコネクターまたは手動設定)、Claude Code、ChatGPT(Developer Modeアプリ)、その他MCP互換クライアントで動作し、セットアップは数分で完了する。Optmyzrの設定画面でAPIキーを生成し、サーバーURLをAIクライアントに貼り付けるだけで、プロフィール上の全アクティブアカウントにエージェントが接続される。
データの壁はどちらにせよ崩れつつある。問題は、エージェントがその壁を計画を持って通り抜けるか、それともプロンプトと祈りだけで通り抜けようとするかだ。
この記事のポイント
- AIエージェントが実務で使えない最大の原因は、データソースとの接続不足にある
- MCPはAIクライアントと各種ツールを標準化された方法で接続し、手作業のエクスポートを不要にする
- 書き込みアクセスにはガードレールが必須で、人間の承認や制約の設計が欠かせない
- Optmyzr MCPは、10年以上のPPC知見と安全な実行レイヤーを兼ね備えた選択肢であり、クロスアカウント分析や自然言語からの戦略実行を実現する

・ 複数業界における17年間のデジタルビジネス開発経験
・ ウェブサイト開発のためのHTML、PHP、CSS、JavaScript等の実用的知識
・ 15ヶ国語対応の多言語SaaSの開発経験
・ 17年間にも及ぶ、Eコマース長期運営経験
・ 幅広い業界でのSEO最適化の豊富な経験

Google広告にAI Max機能3つ追加。ショッピング広告とテキスト制御が進化
Googleは2026年5月20日のMarketing Liveを前に、広告運用に関する3つのAI Max機能を発表した。ショッピングキャンペーン向けのAI Max拡張、広告主の意向を反映するAI Brief、そして検索広告向けのテキスト免責事項である。
いずれも広告主がAIの制御範囲をより細かく設定できるようにすることを目指したものだ。EC事業者にとっては、商品フィードを活用した広告配信の精度向上と、ブランドイメージを守りながらの自動化が現実的な選択肢になる。
今回はPractical Ecommerceの記事を基に、これら3機能の詳細とEC運用への活かし方を整理する。
AI Max for Shoppingの仕組みと従来との違い

AI Maxは2025年に検索キャンペーン向けに導入され、今回ショッピングキャンペーンにも拡張された。本質的には、Googleが広告表示のクエリ選定や広告文の生成をより自律的に行う仕組みである。
検索AI Maxとの共通点と相違点
従来の検索AI Maxでは、広告主が「透明な収納ケース」というキーワードに入札した場合でも、AIが「透明とプラスチック製の収納ケースの違いは何か」といったクエリに対しても広告を表示できるようになった。さらに広告文や遷移先URLも、コンバージョン向上を目的に自動調整される。
ショッピングAI Maxでもこの仕組みは維持されるが、重要な違いがある。ショッピングキャンペーンでありながら、通常の商品画像付きリスト広告だけでなく、Merchant Centerのデータを基にAIが生成したテキスト広告が表示される可能性がある点だ。またAI OverviewsやAI Mode内への広告表示も対象になる。
Performance Maxとの使い分け
AI MaxとPerformance Maxの違いは混同しやすい。Practical Ecommerceの記事によれば、Googleはマルチチャネル(検索、ショッピング、ディスプレイ、動画)でのプロモーションにPerformance Maxを推奨しており、単一チャネルの検索やショッピングにはAI Maxを推奨している。EC事業者としては、ショッピングに特化して広告を最適化したい場合はAI Maxを選ぶのが筋だろう。
テキストカスタマイズや最終URLの自動拡張をオプトアウトできるかは、まだ明らかにされていない。検索AI Maxではオプトアウトが可能なため、ショッピングAI Maxでも同様の制御が用意される可能性は高い。
AI Briefで広告の方向性を詳細に制御

AI Briefは、広告主が自社の意向をAIに伝えるための設定機能である。まず検索AI Max向けに提供され、その後Performance MaxとショッピングAI Maxにも展開される予定だ。
具体的な指示内容
たとえば高級オフィスチェアを販売するEC事業者であれば、「価格を広告に含めてクリック前にユーザーをふるい分ける」「『安価』や『低価格』を含むクエリには広告を表示しない」「『高級』を含むクエリを優先する」といったガイドラインを設定できる。
テキストガイドライン機能
AI Briefには「テキストガイドライン」が含まれる。除外ワード(最大25個)とメッセージ制限(最大40個)を設定可能で、競合名や特定の価格表記の禁止などを指定できる。これにより、ブランドに合った表現をAIが生成するようになる。
ただしPractical Ecommerceの記事では、こうしたガイドラインがパフォーマンスを向上させるケースもある一方で、アルゴリズムの本来の学習を制限してしまう可能性にも触れられている。過度な制限は配信機会を狭めるため、設定後は定期的なパフォーマンス検証が必要だ。
テキスト免責事項で広告の信頼性を底上げ

テキスト免責事項は、検索広告の説明文に広告主の利用規約や注意書きを表示する機能だ。たとえば「本製品はBPAフリーです。詳細はこちら」といった文言を、レスポンシブ検索広告の説明行に固定せずに組み込める。
広告強度スコアを下げない利点
通常、広告文の一部を特定の位置に固定(ピン留め)すると広告強度スコアが下がる。しかしテキスト免責事項はピン留めとは異なり、スコアに影響を与えない。広告強度は指標としての実用性には議論があるものの、スコアが高いほど表示回数が増える傾向があるため、実務上のメリットは無視できない。
設定場所と制限
テキスト免責事項はキャンペーン単位で設定し、「キャンペーン」タブ内の「アセット」セクションで管理する。最初に利用可能な説明スペースに表示され、90文字以内という制限がある。最終URLの自動拡張やテキストカスタマイズとの併用も可能だ。
EC事業者が取るべき対応と今後の見通し

AI Max for Shopping、AI Brief、テキスト免責事項の3機能は、いずれも広告運用におけるAIの役割を拡大しつつ、広告主が制御できる範囲を明確にしたものだ。EC事業者としては、以下の流れで準備を始めるのが現実的だろう。
- Merchant Centerの商品データが最新かつ正確か確認する。AI Maxはデータ品質に依存するため、不備があると意図しないテキストや表示につながる
- AI Briefを使う前提で、ブランドとして許容できない表現や除外したいクエリをリストアップしておく
- テキスト免責事項に記載すべき内容(素材表示、安全規格、返品条件など)を整理し、90文字以内の文案を用意する
- AI Max導入後は、手動キャンペーンとの並行テストでパフォーマンスを比較し、過度なガイドライン設定が配信機会を損なっていないか検証する
GoogleのAI広告機能は、EC事業者の運用負荷を下げるだけでなく、商品フィードとAIの組み合わせにより、従来の手動運用ではリーチできなかったクエリにも対応する可能性を持っている。一方で、ブランド管理の観点からは、AI Briefやテキスト免責事項を適切に設定しなければ、意図しないメッセージが発信されるリスクもある。
Marketing Liveでの詳細発表を待つ必要はあるが、現時点で把握できる仕様を基に準備を始めておけば、機能リリース後すぐに活用できるだろう。
この記事のポイント
- GoogleがAI Max for Shopping、AI Brief、テキスト免責事項の3機能を発表
- ショッピングAI Maxは検索AI Maxと同様の自律配信に加え、AI Overviews表示やテキスト広告生成が可能
- AI Briefでブランドに合わないクエリの除外や優先付けが可能に、過度な制限には注意
- テキスト免責事項は広告強度スコアに影響せず、90文字以内で注意書きを挿入できる
- EC事業者は商品フィードの整備とガイドラインの事前準備を進めておくべき

・ 複数業界における17年間のデジタルビジネス開発経験
・ ウェブサイト開発のためのHTML、PHP、CSS、JavaScript等の実用的知識
・ 15ヶ国語対応の多言語SaaSの開発経験
・ 17年間にも及ぶ、Eコマース長期運営経験
・ 幅広い業界でのSEO最適化の豊富な経験

ブランド検索が広告効果を偽る?「ブランド税」の実態とAI時代のSEO戦略
Google広告のROAS(Return On Ad Spend / 広告費用対効果)が、自社のブランド力によって不自然に底上げされている事実に気づいているだろうか。ROASとは、支払った広告費に対してどれだけの売上が得られたかを示す指標だが、この数字には「広告がなくても発生したはずの売上」が含まれているケースが少なくない。
近年のデータによれば、広告コストが3年で累積30%上昇する一方でコンバージョン率は低下しており、パフォーマンスマーケティングの効率は悪化の一途を辿っている。特に「ブランド検索」への広告出稿は、本来支払う必要のない「通行料」をプラットフォームに支払っている側面がある。
本記事では、ブランド検索が招く「ブランド税」の仕組みと、AI検索の普及がもたらす新たな戦略的転換点について解説する。広告費の増大に悩む中小企業の担当者や、今後のSEO戦略を再構築したいディレクターにとって、真の獲得コストを見極めるための視点を提供する。
広告コスト30%増の衝撃——悪化するパフォーマンスマーケティングの経済性

デジタルマーケティングの現場では、広告を運用すればするほど利益率が圧迫されるという、皮肉な状況が生まれている。Contentsquare社が990億件のセッションを分析した調査によれば、有料広告を通じたユーザー獲得の効率は、あらゆる指標で悪化しているという。
コンバージョン率の低下と直帰率の課題
調査データによると、1訪問あたりのコストは2025年だけで9.4%上昇し、過去3年間の累計では30%もの増加を記録した。一方で、コンバージョン率(CVR / 訪問者が購入や問い合わせに至る割合)は5.1%低下している。つまり、より高い料金を払って、より成約しにくいユーザーを集めている状態だ。
特に深刻なのが直帰率である。有料検索(リスティング広告)経由のユーザーの59%、SNS広告経由では65%が、最初の1ページを見ただけでサイトを離脱している。これに対し、オーガニック検索(自然検索)の直帰率は約42%に留まる。広告費の半分以上が、サイトの中身をほとんど見ないユーザーのために消費されている計算だ。
AI Overviews(AIO)がクリック単価を押し上げる仕組み
Googleが導入を進めている「AI Overviews(AIO / AIによる検索結果の要約表示)」が、この状況に拍車をかけている。AIOは検索結果の最上部にAIが生成した回答を表示する機能だが、これにより従来の検索結果(青色のリンク)が下方に押しやられ、クリックされる機会(クリック在庫)が減少している。
元記事で紹介されている成長アドバイザーのガラン・チェン氏によれば、多くのクライアントで有料検索のクリック数が20%減少した一方で、クリック単価(CPC)が20%上昇したという。GoogleはAI回答の導入によってクリック数を減らしつつも、残された広告枠の競合を高めることで、自社の収益を維持しているとの見方がある。広告主は、狭まった門戸をくぐるために、より高いコストを支払わざるを得なくなっている。
「ブランド税」の正体——なぜGoogleはあなたのブランドから利益を得るのか

多くの企業が「最も効率が良い」と信じているブランドキーワード(社名やサービス名)への広告出稿には、大きな落とし穴がある。これを元記事の著者であるケビン・インディグ氏は「ブランド税(Brand Tax)」と呼んでいる。
需要の「獲得」と「回収」を混同するリスク
ブランド検索は、厳密には「新規顧客の獲得(Acquisition)」ではなく、すでに発生している「需要の回収(Demand Capture)」である。ユーザーがあなたの会社名で検索している時点で、そのユーザーはSNSや口コミ、あるいは過去の接点によって、すでにあなたのブランドを知っている。
Dreamdata社の分析によれば、B2B企業のGoogle広告予算の約18%(推定470億ドル)がブランドキーワードに費やされている。ブランドキャンペーンのROASは1,299%という驚異的な数字を叩き出すことがあるが、非ブランド(一般ワード)のROASはわずか68%に過ぎない。この1,299%という数字が、広告全体のパフォーマンスを実態以上に良く見せているのだ。
ROASの歪みが生む投資判断の誤り
投資家や経営層は、レポートに並ぶ高いROASを見て「Google広告は素晴らしい」と判断し、さらに予算を投入する。しかし、その売上の多くは、広告を出さなくても自然検索の結果から発生していた可能性が高い。Googleは、企業が自らの努力で築き上げたブランド認知に対し、検索結果の最上部を占拠することで「通行料」を徴収しているに等しい。
サミット・チェイス社のレックス・ゲルブ氏は、ブランドキャンペーンと非ブランドキャンペーンを切り離して報告すべきだと指摘している。両者を混ぜた「ブレンデッドROAS」で判断すると、真の新規顧客獲得にかかっているコストが見えなくなり、ビジネスの成長に必要な投資判断を誤らせるからだ。
検索行動の分散——Google一極集中から41以上のプラットフォームへ

ブランド税を正当化する理由の一つに「競合他社に社名検索の枠を奪われないための防衛」がある。しかし、ユーザーの検索行動がGoogle以外に分散しつつある今、Googleだけに多額の防衛費を投じる戦略はリスクを伴う。
Amazon、YouTube、そしてAIツールへのシフト
SparkToro社とDatos社の最新調査によれば、デスクトップにおける検索の約74%は依然としてGoogleで行われているが、残りの26%は他のプラットフォームに分散している。AmazonやeBayなどのECサイトが10%、YouTubeやTikTokなどのSNSが5.5%、そしてChatGPTやClaudeなどのAIツールが3%を占めている。
特に注目すべきは、上位7サイト以外の「その他34サイト」のシェアが成長している点だ。ユーザーは、特定の目的(商品購入、動画視聴、専門的な回答の入手)に合わせて、Google以外の場所で直接検索を始めている。Googleの検索結果でブランドを守るために予算の90%を投じている企業は、ユーザーが実際に回遊している他の広大な領域を見落としている可能性がある。
ブランド防衛の限界と新たな露出機会
AIツールやSNSの検索インターフェースでは、従来の「キーワード入札による広告枠」という概念が通用しない場面も多い。Googleでのブランド防衛に固執するよりも、ユーザーが情報を探している多様なプラットフォームにおいて、いかに「指名されるブランド」として存在感を示すか、という上流の戦略が重要になっている。
AI時代のSEO戦略——高騰する広告への対抗策としてのAI SEO

広告コストの上昇と直帰率の悪化、そしてAI検索の台頭。これらの課題に対する有力な解決策として、著者のインディグ氏は「AI SEO」への投資を提唱している。
直帰率50%超の広告より「信頼」を醸成するAIプレゼンス
有料広告経由の訪問者の半分以上が直帰する一方で、AIの回答内での言及や、AIからの紹介を通じて流入するユーザーは、より明確な意図を持っており、直帰率が低くコンバージョン率が高い傾向にある。これは、ユーザーが検索行動の「上流」であるAIとの対話の中で、すでにブランドに対する信頼や理解を深めているからだ。
AI SEOとは、大規模言語モデル(LLM / ChatGPTなどのAIの基盤となる仕組み)が、特定のトピックに対して自社を「推奨すべき回答」として認識するように最適化する活動を指す。これは従来のキーワード検索順位を競うSEOとは異なり、ブランドの信頼性や情報の正確性をAIに学習させるプロセスに近い。
ROAS(費用対効果)からブランド認知への評価軸の転換
AI SEOの投資対効果(ROI)を直接的に測定するのは、従来の広告ほど容易ではない。しかし、比較すべき対象は「完璧なROI」ではなく、「悪化し続ける広告の直帰率」であるべきだ。広告費の半分をドブに捨て続けるくらいなら、AIの回答内でブランドの露出を増やし、ユーザーの信頼を勝ち取るためのコンテンツ投資に回す方が、長期的には経済的合理性がある。
最終的なテストはシンプルだ。「ブランド検索への広告支出を減らしても、全体の売上が維持されるか」を確認することである。もし維持されるのであれば、これまで支払っていたのは「ブランド税」という名の不要なコストだったということになる。
この記事のポイント
- 広告の費用対効果は悪化している:コストが30%上昇する一方でコンバージョン率は低下し、広告経由のユーザーの半分以上が直帰している。
- 「ブランド税」に注意する:自社名での検索に対する広告出稿は、本来不要なコストをGoogleに支払っている可能性があり、ROASを偽る要因になる。
- 検索はGoogle以外へ分散している:AmazonやSNS、AIツールなど、ユーザーの検索行動は多様化しており、Google一極集中の防衛策はリスクが高い。
- AI SEOへの投資価値:AIの回答内でブランドが言及されることは、高騰する広告費に頼らず、質の高いユーザーを獲得するための重要な戦略となる。
- 評価軸を見直す:ブランド検索と一般検索の数値を切り離し、真の新規顧客獲得コストを把握することが、健全な成長には不可欠だ。
出典
- Search Engine Journal「The Brand Tax: How Google Profits From Demand You Already Own」(2026年3月17日)
- Contentsquare「2026 Digital Experience Benchmark Report」(2026年2月)
- SparkToro「New Research: Search Happens Everywhere」(2026年3月)

・ 複数業界における17年間のデジタルビジネス開発経験
・ ウェブサイト開発のためのHTML、PHP、CSS、JavaScript等の実用的知識
・ 15ヶ国語対応の多言語SaaSの開発経験
・ 17年間にも及ぶ、Eコマース長期運営経験
・ 幅広い業界でのSEO最適化の豊富な経験
