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WP Offload Mediaでサイトに重大なエラーが発生した時の原因と対処法

WP Offload Media(S3/CloudFrontにメディアを転送するプラグイン)でサイトに「このサイトで重大なエラーが発生しました」と表示され、画面が表示されなくなる場合、PHP 8.xではプラグイン内部のsprintf()呼び出しに引数が1つ足りないのが原因だ。最新版へのアップデートで解消する。

なぜWP Offload MediaでArgumentCountErrorが起きるのか

なぜWP Offload MediaでArgumentCountErrorが起きるのか

このエラーの直接の原因は、WP Offload Mediaの remove-local-handler.php 内にある sprintf() 呼び出しだ。メディアをS3へ転送(オフロード)した後、ローカルファイルを削除しようとして失敗すると、エラーメッセージを整形する処理が走る。その際、翻訳文字列にファイルパス用の %s が含まれているのに、実際のファイルパスが渡されていない。

PHP 7.xまでは引数不足の sprintf() は警告で済んでいた。ところが PHP 8.0 以降では ArgumentCountError という致命的エラーになり、未処理の例外としてサイト全体が停止する。本来なら所有権やパーミッションの警告で済むはずの内部メッセージ生成が、フロントエンド全体を落とす事態になる。

発火のきっかけは特定の操作に限らない。Yoast SEO のスキーマ生成が wp_head 内で wp_get_attachment_image_url() を呼ぶケースもある。カスタム投稿やギャラリー、商品ページのサムネイル取得など、アップロード済みメディアの URL を取得する場所ならどこでも起こり得る。

Before(エラー状態)
sprintf() にフォーマット文字列だけを渡し、%s 用のファイルパスが無い。PHP 8が ArgumentCountError を投げ、サイト全体が停止する。
After(修正後)
sprintf() の第2引数に $file を渡す。エラーは警告として記録されるだけで、サイトは稼働を続ける。
エラー状態  修正後

修正版では sprintf() の第2引数として $file(実際のファイルパス)が追加される。未処理の例外がなくなるため、フロントエンドの停止を防げる。

エラーログから原因の関数名を確認する手順

エラーログから原因の関数名を確認する手順

画面上では「このサイトで重大なエラーが発生しました」とだけ表示され、詳細はわからない。管理者宛のメールやサーバーのPHPエラーログにスタックトレースが残っている場合もあるが、WordPress の debug.log を有効にするのが最も確実だ。

  • wp-config.php をテキストエディタかFTPで開く
  • WP_DEBUG と WP_DEBUG_LOG を true にして保存する
  • エラーが起きたページを再読み込みする
  • wp-content/debug.log を開き、ArgumentCountError と Remove_Local_Handler を探す

スタックトレースに「2 arguments are required, 1 given」という記述があれば、この症状と一致する。Yoast SEO が呼び出し元に含まれる場合もあるが、他のプラグインやテーマ由来でも発火するため、関数名の確認を優先する。

WP Offload Mediaをアップデートして修正する手順

WP Offload Mediaをアップデートして修正する手順

修正が取り込まれたバージョンがリリースされていれば、管理画面からプラグインを更新するのが最短の対応だ。WP Offload Media はサブスクリプション型のライセンスで更新が配布されるため、ライセンスが有効かどうかも確認しておく。

STEP 1 管理画面の「プラグイン」を開く
STEP 2 WP Offload Media に更新があるか確認する
STEP 3 プラグインを更新する
STEP 4 キャッシュを削除し、ページの復旧を確認する

更新後はサーバーキャッシュとブラウザキャッシュを削除してから、エラーが出ていたページを開き直す。WP CLI を使える環境では wp plugin update コマンドでも更新できる。

すぐに更新できない場合の一時的な対処

すぐに更新できない場合の一時的な対処

サブスクリプションの期限切れなどで更新が受けられない場合は、remove-local-handler.php に直接修正を加える方法がある。管理画面の「プラグイン」メニューにある「プラグインファイルエディター」からWP Offload Media を選び、remove-local-handler.php を開く。

sprintf() に $file を追加して回避する

修正箇所は2つある。remove-local-handler.php の180行付近と185行付近だ。どちらも sprintf() の閉じ括弧の前に、カンマと $file を追加する。このファイルはプラグイン本体のため、次回のアップデートで上書きされるが、修正版が配布されるまでの時間稼ぎにはなる。

// 修正前(180行付近)
$file_to_remove['remove_result']['message'] = sprintf(
    __( "Error removing local file. Couldn't find the file at %s", 'amazon-s3-and-cloudfront' )
);

// 修正後
$file_to_remove['remove_result']['message'] = sprintf(
    __( "Error removing local file. Couldn't find the file at %s", 'amazon-s3-and-cloudfront' ),
    $file
);

// 185行付近も同様に $file を追加する

プラグインを一時的に無効化する

管理画面に入れる場合は、WP Offload Media を一時的に無効化すればサイトは復旧する。ただし、メディアがすでにS3にオフロードされていると、無効化中はローカルに存在しない画像が表示されないことがある。緊急時の対応と割り切って使う。

PHPバージョンを7.4に戻す

サーバーの設定で PHP を 7.4系に戻せばエラーは出なくなる。ただし、PHP 7.4はセキュリティサポートが終了しているため、恒久対策にはならない。あくまで更新までの一時的な回避策だ。

所有権とパーミッションを見直して再発を防ぐ

所有権とパーミッションを見直して再発を防ぐ

このエラーが起きたということは、オフロード後に削除するはずのローカルファイルに削除権限がなかった可能性が高い。プラグインの修正後は、アップロードディレクトリの所有権とパーミッションを確認し、Webサーバーユーザーが書き込める状態にしておく。

アップロードディレクトリ(wp-content/uploads)は、ディレクトリが755、ファイルが644であることが一般的だ。所有権がFTPユーザーになっていると、Webサーバープロセスが削除できず同じ状態になる。サーバー管理画面やシェルから、アップロードディレクトリの所有者をWebサーバーの実行ユーザーに合わせる。

# 所有者とグループをWebサーバー実行ユーザーに合わせる(www-data は環境により異なる)
sudo chown -R www-data:www-data wp-content/uploads

# ディレクトリとファイルの権限を整える
find wp-content/uploads -type d -exec chmod 755 {} \;
find wp-content/uploads -type f -exec chmod 644 {} \;

実行ユーザーの名前はサーバー環境によって www-data、apache、nginx など異なる。レンタルサーバーでは管理画面のファイルマネージャーから所有者を変更できないこともあるため、その場合はカスタマーサポートに依頼するか、PHP を実行ユーザーと同じ権限で動かす設定を検討する。

よくある質問

管理画面にも入れないほど真っ白になった場合はどうする?

FTPやサーバーのファイルマネージャーから wp-content/plugins/ に入り、WP Offload Media のフォルダ名を「WP Offload Media_backup」のように変更して無効化する。WordPress はプラグインが存在しないと認識し、サイトを復旧できる。その後、原因を修正してからフォルダ名を元に戻す。

プラグインを更新したのにまだエラーが出るのはなぜ?

キャッシュが残っている可能性が高い。サーバーキャッシュとブラウザキャッシュを削除してから再確認する。それでも出る場合は、別のプラグインが同様の sprintf() 引数不足を起こしている。デバッグログのスタックトレースを再確認する。

ArgumentCountError は WP Offload Media 以外でも起きる?

起きる。PHP 8.0以降では、翻訳文字列に %s を含む sprintf() で引数を渡し忘れると同様の致命的エラーになる。古いテーマやプラグインで潜伏していることが多い。PHP 8.x へ移行する際は事前にステージング環境でテストするのが基本だ。

所有権の問題を放置するとどうなる?

ローカルファイルの削除が失敗し続け、アップロードディレクトリに同じファイルが重複して残る。ディスク容量やバックアップサイズにも影響する。プラグイン自体は修正されても、警告ログが出続けるため、所有権は合わせて直しておくべきだ。

この記事のポイント

  • WP Offload Media の sprintf() 引数不足が PHP 8.x で致命的エラーになる
  • 「このサイトで重大なエラーが発生しました」の裏で ArgumentCountError が起きている
  • 修正版への更新が最短の解決策
  • 更新できない間は sprintf() の第2引数に $file を追加する
  • 所有権とパーミッションを整えて同じ失敗が起きないようにする